第五百二十八話 ヒッティーンの血と汗その五
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「さっきまで食べて休んでいたから」
「そうですか、ならいいです」
「そう言う一誠君はどうかしら」
翻って彼に問うた。
「かなり戦ってきているけれど」
「俺的には大丈夫です」
朱乃に貌を向けて答えた。
「ですから」
「そのままなのね」
「戦います」
「無理はするな」
荻野が言って来た。
「幾ら自分でそう思ってもな」
「そう思うとですね」
「予想以上に大きなダメージを受けている」
「そうなっているから」
「無理はしないことだ」
こう一誠に言うのだった。
「くれぐれもな」
「あんた無茶するからな」
葛城は激しく戦いつつ笑って言ってきた。
「だから余計にだよ」
「下がれと言ったら下がれ」
荻野はまた一誠に言った。
「いいな」
「はい、それじゃあ」
「その時はだ」
「俺も下がります」
「そうすることだ」
「その時はあたしが援護するからな」
葛城は横から笑って話した。
「だから安心してな」
「下がっていいんですね」
「そうしなよ」
「じゃあお言葉に甘えて」
「ただな」
葛城はこうも言った。
「下がってもスケベは止めろよ」
「いや、やってないですよ」
「あんたもてるからな」
だからだというのだ。
「尚更な」
「俺ってもててますか?」
「もててるだろ」
葛城は自分の言葉に驚く一誠に笑って返した。
「その性格だとな」
「性格で」
「ああ、それでな」
それを見られてというのだ。
「もてるんだよ」
「そうなんですね」
「あたしもあんた好きだぜ」
葛城は自分もと言った。
「友達としてな」
「少なくとも嫌われはしない」
翼も言ってきた。
「その性格ではな」
「それでもてるんですか」
「そうだ、私も友達としてだ」
足を主に使って戦いつつ話す。
「好きだ」
「友達ですか」
「世界が違うとな」
それならというのだ。
「やはりな」
「そうした感情は生まれない様ですね」
一誠の援護をしている祐斗が応えた。
「どうも」
「その様だな、もっとも私は恋愛の経験はないが」
「そうなんですか」
「そうだ、だが友情はわかる」
この感情はというのだ。
「立花達と共にいてだ」
「その中で、ですね」
「わかった、立花達がいるとな」
共にというのだ。
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