第百二十九話 ほたる、父を見るのことその十一
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黄蓋が微笑みだ。その二人に話した。このことについてもだ。
「そういうことじゃ。奴等は戦しか知らぬからじゃ」
「だから人より低い世界にあるのね」
「そうなるのですか」
「そして戦しか知らぬのでは強さも限られてくる」
これもあるのだというのだ。
「そういうことじゃ。ほたる殿も然りじゃ」
「私もですか」
「人であることを捨て修羅にあえて落ちた者よりもずっと強い」
「多くのものを知っているからですか」
「左様じゃ。安心して戦うのじゃ」
微笑みだ。そうしてなのだった。
黄蓋はあらためてだ。二人に話した。
「では。もう少し歩くか」
「森の中をね」
「いい匂いがしてきた。果物が近くにあるな」
「あっ、そういえば」
「アケビの香りがしますね」
孫尚香とほたるもだ。その香りに気付いた。そして言うのだった。
「じゃあそれ食べましょう」
「そこまで行って」
「うむ。行こうぞ」
こう話してだった。三人はだ。
そのアケビを食べに行った。だがほたるはだ。父との戦いのことについてだ。不安を感じずにはいられなかった。黄蓋のその言葉を聞いてもそれでもだ。
第百二十九話 完
2011・12・12
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