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おぢばにおかえり
第七十二話 キャンバスライフその九

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「私もまだ入学したばかりで」
「あまりご存知ないですか」
「そうなのよ」
「そうですか、ですが出来るだけお願い出来ますか」
「私の知ってる限りね」
「天理大学受験するつもりですし」
 こう私に言ってきました。
「ですから」
「それでなのね」
「その為に勉強もしてますし」
「そういえば新一君結構成績いいのよね」
 このことは私も聞いています。
「そうなのよね」
「勉強してますと」
 それならというのです。
「やっぱりです」
「成績はよくなるっていうのね」
「誰でもそうですよね」
「それはね」
 私にしても勉強してきました、だから言えます。
「誰でもね」
「ですから」
 それでというのです。
「僕もそれなりに」
「そうなのね」
「それでなんです」
 私にさらに言ってきました。
「将来はこの大学に進学したいですね」
「それでおみちのことを勉強させてもらうのね」
「そのつもりです」
「そうなのね」
「将来教会長さんの資格も欲しいですから」
 だからだというのです。
「その為にも」
「そこまで言うなら案内させてもらうわ」
 新一君の熱さに心打たれました、それでこう答えました。
 そのうえで大学の案内をさせてもらいましたが。
 母屋でもある校舎に入ってです、新一君はこんなことを言いました。
「中学と高校は違うんですね」
「何がなの?」
「いえ、校舎が母屋じゃないんですね」
 このことを言うのでした。
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