第五百二十七話 厳島の奮闘その四
[8]前話 [2]次話
「それであの件って何?」
「私そんなこと言ったでしょうか」
クローディアは両手でそれぞれ戦いつつしらばっくれた。
「記憶にないですが」
「実は何もないとか?」
「世界が違いますと」
それならというのだ。
「アンジュさんのことも他の方のことも」
「ただ呼ぶ為に言ったってことね」
「どうでしょうか」
「全く、素直に言えばいいのに」
「真っ黒なので、私は」
「心がっていうのね」
「ただ普通にお願いすることはです」
それはというのだ。
「どうかと思いまして」
「普通に言えば来るわよ」
「余裕があればですね」
「そうするのに」
「ですからそこはです」
「やれやれね」
「実にクローディアさんらしくていいかと」
珠雫は微笑んで彼女の側についた。
「私も今度参考にステラさんに言ってみます」
「そうされるのですね」
「私は意地悪で」
「全く、あんた達って根はいいけれど癖が強いのよ」
アンジュは息を合わせて語る二人に述べた。
「素直になればいいのに」
「全くだ、というかだ」
芥川も言ってきた。
「別に素直になってもいいだろう」
「二人共な。折角性格自体は悪くないんだからな」
中原も言う。
「素直になればいいだろう」
「いえ、そうなりますと」
「どうも私達ではないので」
「ですからこれからもです」
「このスタイルでいきます」
「そう言うんだな、まあ本質は奇麗だからいいか」
クローディアも珠雫もというのだ。
「わかりやすいけれどな」
「そう言うあんたもね」
アンジュは今度は中原に言った。
「悪いことする組織にいても」
「それでもか」
「ええ、本質はね」
性格のそれはというの。
「あまりね」
「悪くないか」
「そう思うわ」
このことは微笑んで話した。
「だから安心してね」
「安心していいか」
「ええ、だからね」
それでというのだ。
「あんたもそのままでね」
「ならそしていく、そしてだ」
「ここではね」
「このまま戦っていく」
こう言ってだった。
中原も戦い続ける、重力を使ったそれは接近そして空から戦う三人を芥川のそれと共に的確に援護していた。
その戦いを見てだ、尊は冷静に言った。
「皆さん頑張っておられるので」
「そうね、傷も受けてるから」
「だからね」
「戻ってきたら手当ね」
もり子とそり子、せわし子が応えた。
「誰が戻ってきてもね」
「傷によってそれに相応しい手当てをしましょう」
「ここでもね」
「そしてです」
尊はこうも言った。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ