第五百二十七話 厳島の奮闘その一
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第五百二十七話 厳島の奮闘
宝生は厳島で明日那に言われていた。
「ここはね」
「うん、島でね」
「敵が来るとしたら」
「やっぱり海からだね」
「そうだと思うわ」
「やっぱりそうだね」
「だから」
それでというのだ。
「そちらから来ることを考えて」
「訓練して」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「戦っていきましょう」
「そうだね」
「それじゃあ」
明日那は笑顔で話した。
「それを念頭に置いてね」
「まずは島を見て回るんだね」
「そうしていきましょう」
「ここは詳しいから」
モトナリが言ってきた。
「だから案内はね」
「任せてね」
「それじゃあね」
「私も詳しいわよ」
キリコも言ってきた。
「地元だからね」
「そうか、なら宜しく頼む」
鏡はキリコの言葉を受けて真面目な顔で応えた。
「何かとな」
「ええ、細かいところまでね」
「案内してくれてだな」
「何処でどう戦えばいいかもね」
このこともというのだ。
「お話させてもらうわ」
「それではな」
「広島は向かいじゃけえ」
燦も言ってきた。
「うちも詳しいけえ」
「なら君にも頼む」
燦には花家が言ってきた。
「案内をな」
「わかりましたけえ」
燦も笑顔で応えた、そうしてだった。
実際に厳島に詳しい面々が案内をして戦士達は場所を知っていった、それから訓練もして一月を過ごしてだった。
決戦の時を迎えた、その朝にだ。
壇は誇らしげに笑って仲間達に話した。
「諸君準備はいいか」
「はい、何時でも」
紺が応えた。
「ただ壇さんが何するか心配なだけで」
「私が何かすることが楽しくないのか」
「いやあ、壇さんの行いってあれ過ぎますから」
「仲間だからいいけれど」
マリアンデールも言う。
「あんまりと言えばあんまりよ」
「ご自重されるべきです」
宗朗も言ってきた。
「やはり」
「私が自重だと」
「はい、一月の訓練の間でも何かとありましたので」
壇が何かとやらかしたというのだ。
「ですから」
「言うのか」
「はい」
まさにというのだ。
「せめて戦いの間は」
「そちらに専念してくれ」
セングレンも言ってきた。
「頼むぞ」
「そこまで言うなら仕方ないな」
「まあ彼は何かあったら戻してね」
鏡の父がこう言ってきた。
「あっちの世界に」
「そうだな、口で言ってもわからない奴だ」
ヒメもそれはわかっていた。
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