第百二十九話 ほたる、父を見るのことその四
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「それに親父は元の。俺達の世界でもだ」
「多くの罪を犯してきたのですね」
「そうしてきたのですか」
「父の罪を清めるのは子の役目だ」
こう言ったのである。
「だからこそだ。そしてだ」
「ほたる殿ですね」
「妹君ですか」
「ほたるには罪を背負わせない」
父殺しの罪、それをだというのだ。
「それは何があってもだ」
「だからですか」
「牙刀殿はその為にも」
彼の言葉からその心を知りだ。そうしてだった。
二人も頷きだ。そして言うのだった。
「御父上と戦われそのうえで」
「倒されますか」
「そうする」
全てを決めてだ。達観さえある目で述べる牙刀だった。
「それが俺の決めたことだ」
「ですか。それでは」
「私達はもう」
「いてもいい」
それは構わないというのである。
「いたければな」
「それはどうしてでしょうか」
張?は彼の今の言葉に怪訝な顔になった。
そしてだ。こう問い返したのである。
「何故ですか。私達が共にいてもいいというのは」
「仲間だからだ」
牙狼は彼女達をだ。そうだというのだ。
「だからだ。そうしたければしていい」
「仲間、ですか」
「私達は」
「これまで仲間がいるとは思わなかった」
そうだったというのだ。牙刀のこれまでの人生ではだ。
「しかしそれでもだ」
「今はですか」
「違うのですね」
「そうだ」
その通りだと。答える彼だった。
「俺はあの男を倒す」
「牙刀殿御自身の手で」
「そうされますか」
「止めても無駄だ」
このことも言うのであった。
「わかったな」
「ではこのことお伝えさせてもらいます」
「我等の主に」
「好きにしろ」
気にすることではなかった。今の牙刀にとって。
それでだ。こう彼等に述べてだった。
「俺は俺の果たすべきことを果たすのだからな」
「牙刀殿・・・・・・」
「そこまでされますか」
二人も牙刀の心を知った。それでだ。
彼のその決意の中にあるものを見てだ。今は沈黙した。
しかしその後でだ。牙刀が休んだのを見届けてだ。
そのうえでだ。自分達の主に話したのだった。
袁紹と曹操は同じ天幕に集り二人の話を聞いだ。そのうえでだ。
深刻な顔でだ。こう言ったのである。
「仕方ありませんわね」
「そうね」
こうだ。二人で言ったのである。
「考えてみればすぐに。そうした方とはわかりますけれど」
「どうしてもと思ったから」
「お二人もなのですね」
ここでだ。張?が袁紹と曹操に言った。
「牙刀殿に親殺しの罪は」
「無論ですわ」
袁紹はすぐにだ。眉を顰めさせて張?の問いに答えた。
「その様なこと。命じることは人の道ではありませんわ」
「私も同じよ」
曹操も言う。
「牙刀
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