第八十二部第四章 破竹の進撃その三十一
[8]前話 [2]次話
「しかしな」
「食う場所はここですからね」
「艦隊司令でも」
「それで艦長も」
「元帥でも」
「エウロパ等では違う」
無論サハラでもだ。
「あちらはな」
「食堂は士官室で」
「昔ながらで」
「それで食事自体もですよね」
「違うんですよね」
「士官の食事はご馳走だ」
兵士や下士官のそれよりもというのだ。
「もうフルコースだ」
「それで音楽付きですよね」
「士官室にそれが流れて」
「もう艦隊司令の乗艦にはオーケストラまで乗っていて」
「その生演奏付きで、ですよね」
「その中で食うんですよね」
「お貴族様だからな」
軍曹はここでは皮肉を込めて言った。
「だからな」
「食う場所も違って」
「その食うものもですね」
「違いますからね」
「オーケストラの生演奏とかも」
「ここも音楽は流れるがな」
食事中食堂にかかるのだ。
「ラジオのあれとかな」
「給養員がCDかけるとか」
「そういうのですからね」
「軍歌とか流行歌とか」
「そういうのかけていますね」
尚軍歌が主流だ、十九世紀からの連合の構成国の軍歌もかけられる。特に日本軍とソ連軍のものが人気がある。
「俺達は」
「それでもですよね」
「あっちは生演奏ですか」
「贅沢ですね」
「お貴族様らしいですね」
「私も思う、あそこは階級でな」
それでというのだ。
「おおよそ決まるからな」
「それに対してですね」
「俺達は課程ですね」
「試験さえ受かればですよね」
「どの課程でもいけますし」
「士官にもなれますね」
「そうだが私も君達も」
ここで軍曹は兵士達にこうも言った。
「下士官候補学生にもな」
「ああ、合格出来るか」
「そんな頭があるか」
「そのことですね」
「私は入隊の時一般と候補兵しか受けていない」
この二つのみだったというのだ。
「高校時代はレベルの低い学校でしかもテニスばかりしていた」
「だから学校の成績は、ですか」
「それは、ですか」
「試験のレベルが違うからな」
下士官候補学生のそれはというのだ。
「もう既に部内士官のレベルだぞ」
「それじゃあですね」
「俺達が通る筈ないですよね」
「俺達全員馬鹿ですからね」
「馬鹿だから一般ですからね」
「誰でも入られる試験で」
「確かに誰でも受けられて大抵通るが」
それでもというのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ