西ゼムリア通商会議〜ゼムリア連合の提唱〜
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……条件は3つと言ったな。まずは全ての条件を聞いて考慮してから答えを出す。―――――二つ目の条件とはどんな条件だ?」
セドリックの説明を聞いたアルバート大公が驚いている中考え込みながら呟いたシルヴァン皇帝は続きを促した。
「二つ目の条件は貴国による我が国の保護の間パント卿によるリィンさんへの政治教育に兄上を加えて頂く事と、トールズ卒業後の僕がメンフィル帝国の”本国”へ留学する事の許可です。」
「え………一体何の為にオリヴァルト殿下はパント卿から政治家としての教えを乞い、セドリック皇太子殿下はメンフィル帝国の本国――――――異世界への留学を望まれたのでしょうか?」
二つ目の条件を口にしたセドリックの説明を聞いて一瞬呆けた声を出したクローディア王太女は戸惑いの表情で訊ねた。
「お恥ずかしい話になって申し訳ないのですが去年の内戦と今回の戦争の件を考えると私達アルノール皇家はエレボニアの皇家の一員として政治を指導してもらう事に関して信頼できる人物がエレボニア帝国内には存在しないのです。エレボニアに2度と内戦もそうですが、戦争を起こさせない為にも”エレボニア帝国以外の勢力から政治を学ぶ必要がある”と判断したのです。」
「フフ、なるほど。内戦は”貴族派”の筆頭である前カイエン公であるクロワール卿、今回の戦争は”革新派”の筆頭であるオズボーン宰相が勃発させてしまった件を考えますと、例えそれぞれの派閥の”次代の筆頭”である知事閣下や私が殿下達が信頼できる人物だとしても現状殿下達アルノール皇家の方々は”貴族派”と”革新派”の双方から政治を指導してもらう事はできませんし、周りの人々も納得できませんわね。」
「はい。そして幸いにもエレボニアを遥かに超える大国たるメンフィル帝国の宰相を務められた上シルヴァン陛下とリウイ陛下、二代のメンフィル皇帝を支えた事で政治家としての実力はオズボーン宰相すらも及ばないと推定されているパント卿がリィン総督閣下の補佐の為にエレボニアに派遣されるとの事なので、これも女神のお導きだと思い、パント卿―――――メンフィル帝国に頼る事にしたのです。」
「り、理屈はわかりますが………その、両殿下にとっては父君であり、同じ皇家の一員であるユーゲント陛下ご自身から指導して頂く事は考えられなかったのでしょうか?」
オリヴァルト皇子の説明を聞いたミルディーヌ公女は苦笑しながら推測を口にし、ミルディーヌ公女の推測に頷いたレーグニッツ知事は静かな表情で話を続け、オリヴァルト皇子達の話を聞いていたルーシー秘書官は複雑そうな表情で呟いた後ある事を訊ねた。
「これもお恥ずかしい話になるのですが、父上――――――ユーゲント三世に政治家としての指導をしてもらう事だけは絶対にできないのです。現エレボニア皇帝
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