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子猫の脚
第二章

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「実は」
「貴女がですか」
「はじめまして、ジェニファー=ハードです」
 女性は笑顔で名乗った。
「銀行員をしながら保護猫の活動をしています」
「その活動の中で」
「街で歩いていたこの子を保護しましたが」
「足が悪かったんですね」
「腰の骨を脱臼していました」
 そうだったというのだ。
「それで後ろ足が満足に動かなくて」
「すぐに保護されて」
「ですが活発な子で」 
 ハードはフォークに笑顔で話した。
「私が車椅子を作ってプレゼントしたんですが」
「今彼が付けているそれを」
「はい、そうしたらです」
「いつも元気に走り回ってます」
 ウェイトレスがここで笑顔で話した。
「そうしています」
「それは何よりですね」
「前からうちにいるワトソンとも仲良しで」
「ニャア」
「ナア」
 二匹で楽しくじゃれ合っているのを見つつ話した。
「うちの看板猫の一人ですよ」
「障害があってもちょっとしたことでどうでもなりますよね」
 ハードは紅茶を手に言った、見ればイギリスらしくミルクティーだ。
「そうですね」
「はい、実はこの子も前は足が悪かったそうですが」
 フォークは抱いているマックアンドチーズの話をした。
「リハビリで元気になりました」
「そうですか、実はバーナードもリハビリを受けていまして」
 ハードはフォークに彼もと話した。
「ですから」
「それで、ですか」
「近いうちに普通に歩けそうです」
「それは何よりですね」
「ですがこうしてお互い足が悪くて克服したか」
「克服しようとする子と出会えたことはですね」
「神のお導きですね」 
 フォークに笑顔で話した。
「これは」
「そうですね、神に感謝すべきですね」
「本当にそうですね」
 笑顔で話をした、そしてフォークは店の席に座ってハードとお互いの猫のことを話した。旅行の途中で紅茶を飲みながらの話は弾みとても幸せなものだった。
 それで帰国してだ、彼は家族に明るい笑顔で言えた。
「素敵な旅行だったな」
「ニャア」
 家族はそうだったねという感じで鳴いて応えた、そして帰って来た家の中で元気に走り回ったのだった。


子猫の脚   完


                      2022・11・25
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