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子猫の脚
第一章

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                子猫の脚
ニューヨークの旅行代理店で働いているマイケル=フォーク百八十を超えた痩せた身体に面長の顔を持つアフリカ系の彼はその茶トラの雄猫マックアンドチーズという名前の彼を保護猫の活動をしているボランティア団体のスタッフから紹介されて言った。
「とてもそうはです」
「見えないですね」
「はい、元気ですが」
「ニャア」
 普通に歩いて鳴いている彼を見て答えた。
「とても」
「それがなんですよ」
「最初はですか」
「後ろ足が麻痺して動かなくて」
 それでとだ、金髪に青い目でアジア系の顔をしている若い女性のスタッフは話した。
「車椅子を使ってです」
「猫用の」
「それで水中トレーニングやリハビリを行って」 
「今みたいにですか」
「普通に動ける様になりました」
「そうでしたか」
「最初は野良猫で保護した時は」
 スタッフの人はその時のことから話した。
「そうでした」
「それがですか」
「ここまでです」
「動ける様になったんですね」
「そうでした」
「人間のリハビリも大変ですが猫もですね」
 フォークは考える顔になって述べた。
「若し野良のままだと」
「絶対に死んでましたね」
「満足に動けないなら」
「そうした子なので」
 スタッフの人はフォークに強い声で頼む様に言った。
「是非です」
「幸せにですね」
「して欲しいです」
「約束します」 
 フォークはスタッフの人に強い顔と声で答えた。
「必ずそうします」
「宜しくお願いします」
 こうしてだった、フォークはその猫マックアンドチーズを家族に迎えた、そうして保護団体の人に頼まれた通りにだ。
 彼をとても大事にした、そうして幸せにしてだった。 
 仕事の時以外はいつも一緒にいた、それは旅行の時もであり。
 イギリスのオックスフォードに来た時もであったがふとだった。
 街を歩いている時に黒と白の毛で八割れ気味だが額の部分は長方形で白い雄猫がいた、猫は喫茶店の前にいて首輪にはロープがあってその範囲内で動いて共にいる白い雄猫とじゃれ合ってもしているが。
 見れば腰の部分に猫用の車椅子がある、愛猫を抱いているフォークはその猫を見て聞いた彼と同じと思ったが。
「どうしました?」
「いや、この猫が気になって」
 若いそばかすのある顔で栗色の長い髪の毛と緑の目のやや背の高いウェイトレスが店の前にいて聞いてきたので答えた。
「つい見ました」
「この子うちの家族なんです」
「そうなんですか」
「バーナードといいまして」
 その猫の名前も話した。
「元は保護猫でした」
「私が保護したんです」
 店の外の席に座っている恰幅のいい黒髪と黒い目の中年女性が言って来た。
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