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星河の覇皇
第八十二部第四章 破竹の進撃その二十九

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「もっと遅い人もいますしね」
「三十でやっとなったとか」
 十九で入隊してだ。
「勤務とか悪いとそうなりますから」
「流石にずっといたらなれますけれど」
「任期も三回か四回なら」
「試験も通してくれますけれど」
 軍の人事課も長く勤務しているならと判断してだ。
「そうなりますけれど」
「候補学生と比べたら」
「二年でなりますからね、あの課程は」
「全然違いますよ」
「候補学生が違うのは当然だ」
 そこはとだ、軍曹も言った。
「入隊試験のレベルも違う」
「そうですよね」
「もうその時点で」
「レベルが違って」
「そこからして違いますね」
「あのレベルは」
 下士官候補学生の入隊試験のそれはというのだ。
「何でも部内士官のレベルらしいですね」
「もう最初からそのレベルなんですね」
「つまり部内士官になること前提」
「その課程ですね」
「一般や私達候補兵は地方の総監部採用だ」
 そこでというのだ。
「しかしあちらはな」
「国防省ですよね」
「あちら採用ですよね」
「言うなら本採用」
「そっちですね」
「もう全く違う」
 同じ兵士からはじまってもというのだ。
「二年で下士官でだ」
「そしてそこから四年か五年で、ですね」
「つまり六年か七年で士官ですね」
「そうなるんですね」
「だから軍服も違うだろう」
 こちらも違うというのだ。
「私達はセーラー服だが」
「兵隊の服ですよね」
「連合で兵隊っていったらこれですよね」
「俺達一般はそうで」
「候補兵もですよね」
「私も着ていた」
 この時代では女性兵士もセーラー服だ、こうしたところの男女差別というものはなくなっているのだ。
「夏は白、冬は黒のな」
「あれですよね」
「あのセーラー服ですよね」
「それ着ておられましたよね」
「軍曹も」
「最初はな、しかしな」
 自分達はそうであるが、というのだ。
「あちらは違う」
「候補学生は、ですよね」
「航空学生や少年学校と一緒で」
「詰襟の七つボタンですね」
「あれですよね」
「そこでもだ」
 試験のレベルだけでなくというのだ。
「分けられている」
「もうはっきりとですね」
「俺達とあっちは違うんですね」
「何もかも」
「俺達は兵士や下士官で」
「下士官でも並で」
「あっちは」
 候補学生出身者達はというと。
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