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真剣に遊ぶ
第一章

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                真剣に遊ぶ
 ふわりはよく遊ぶ、ケージの中でも自分のおもちゃでそうするし家の中でも家族と遊び外でも同じだ。
 そんな彼女を見て飼い主の国咲家の息子の洋介は言った。
「ふわりって遊ぶの好きだな」
「当たり前だろ」
 父の文太はケージから出て尻尾を振りつつ遊ぶ彼女を見つつ息子に答えた。
「お前だって遊ぶの好きだろ」
「ゲームとかカラオケとかな」
 洋介は自分の趣味を話に出して応えた。
「そういうのはな」
「それと同じだよ、人間も遊ぶの好きでな」
「ふわりもか」
「犬もだ、そもそも犬は身体動かすことが好きなんだ」 
 犬の習性のことも話した。
「だからな」
「それでか」
「そうだ、遊ぶことは身体を動かすことだからな」
 それ故にというのだ。
「好きなんだ」
「そういうことか」
「それでだ」
 父はここで険しい顔になって息子に話した。
「あの馬鹿共みたいなな」
「前の飼い主のか」
「あいつ等みたいにだ」
 反面教師として語るのだった。
「一日中ケージの中に入れたままなんてな」
「もっての他だよな」
「散歩も連れて行かないでな」
 そうしてというのだ。
「当然遊ばせもしないなんてだ」
「無視してな」
「最初から飼うなだ」
「それこそだよな」
「そうだ、ああなると思っていたがな」
「本当にそうなったってことだな」
「そうだ、しかし俺達は違う」
 ふわりの前の飼い主達とはというのだ。
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