第四十二話 カレーライスを食べてその一
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第四十二話 カレーライスを食べて
留奈は家に帰ると母にカレーを食べたいと言おうと思っていた、だが団地の自分達の部屋を開けるとだった。
即座に知った美味そうな匂いを嗅いだ、それで台所で何かを作っている母に尋ねた。
「お母さん今晩カレー?」
「そうよ」
母は鍋を前にして言った。
「今日スーパーのお野菜安かったからね」
「それでなの」
「あと鶏肉半額あったから」
「チキンカレー?」
「嫌?」
「嫌とは言ってないわよ」
一言もとだ、留奈は母に返した。
「全くね」
「あんたチキンカレーも好きだしね」
「ええ、だからね」
「それじゃあね」
「実は今日カレー食べたいって言うつもりだったのよ」
母にこのことも話した。
「かな恵達とお話してね」
「そうだったのね」
「丁度よかったわ、何か手伝うことある?」
「まずは着替えなさい」
母は娘の申し出にこう返した。
「カレー作ってるのよ」
「ルーが制服に付いたら駄目ね」
「着替えてエプロン付けてよ」
そうしてというのだ。
「台所に来なさい」
「そうするわね」
留奈は母の言葉に頷いてだった。
まずは自分の部屋に入ってそこで黄色いティーシャツと膝までのピンクの生地がやや厚く
硬い半ズボンに着替えてだった。
エプロンも付けて台所に入った、そのうえで母に尋ねた。
「それで何したらいいの?」
「お母さんこれからサラダ作るから」
母は早速娘に応えた。
「その間お鍋見ておいてね」
「そうしたらいいのね」
「ええ、お願いね」
「まだルー入れてないのね」
「これから入れるわ、まずはじっくり煮てね」
鍋の中にある具をというのだ、切られた人参や玉葱やジャガイモといった野菜達の中に鳥の胸肉もある。
「そうしてね」
「それからってことね」
「ルーを入れるわ」
「そうするのね」
「今日のカレーは辛くするから」
母はこうも言ってきた。
「辛口のルー買ってきたから」
「そうするの」
「ええ、あとね」
「あと?」
「今日は林檎とか入れないから」
「そういえば入ってないわね」
留奈は鍋の中を見てそれを確認した。
「入れる時もあるのに」
「代わりにアスパラガスとかピーマンを入れたわ」
「安かったから?」
見ればそうしたものも入っている。
「だからなの」
「そうよ、それで辛くしたかったからね」
「林檎とかは入れなかったのね」
「そうしたのよ、暑いからね」
だからだとだ、母はサラダの方にかかりつつ留奈に話した。
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