第五百二十六話 長篠の川を挟んでその十一
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「見えてたぞ」
「姫和はストッキングから透けていたぞ」
「いやあ、わざとじゃないからな」
「ここは許して欲しいな」
「許すしかないが困ったことだ」
姫和は憮然として述べた。
「全く以てな」
「そうよね、けれど見られることは」
「仕方ないな」
「スカートだとね」
「どうしてもな」
「戦っている間はそれどころじゃないし」
「そちらに必死でな」
「それでもジロジロ見るなよ」
さりなはそこは釘を刺した。
「そしてわざとだったらな」
「その時はか」
「マジで殺すからな」
智樹を睨んで告げた。
「本気でな」
「だからわざとはしないからなこっちも」
「殺されるからか」
「俺は俺の世界でいつもそうやってるけれどな」
そうしたことに必死になっているのだ。
「それでもな」
「君いつもらしいね」
ゴーシュがぽつりと言ってきた。
「何でも」
「はい、もうそはらや会長にです」
「ばれてだね」
「お仕置きされています」
「大変な目に遭っているね」
「そうなんですよ、ただ戦っていますと」
「その余裕はないね」
「イカロス達に指示を出すだけで手が一杯で」
それでというのだ。
「見えるに任せるしかです」
「ないね」
「そうなんです」
「見えるからあたしも仕方ないって言うよ」
さりなは舌打ちする様に言った。
「それならな」
「そうなんだな」
「ああ、さっきも見ただろ」
「白だよな、いつも通り」
「そうだよ」
さりなは顔を赤くさせて認めた、実は手が出そうであったがそれは仕方ないと言った手前抑えて智樹に応えた。
「いつも通りは余計だよ」
「前にリボンが付いたな」
「そこまで言うなよ、しかしな」
「戦ってる間はか」
「仕方ないからな」
見えることはというのだ。
「本当に」
「ひらひらってなるからな」
「ああ、それが嫌ならな」
それこそとだ、さりなは言った。
「スカート穿くなってな」
「その通りだぞ」
「ズボンがあるからな」
「あとスパッツもあるしな」
「そうしたのを穿くといいだけだぞ」
ペンギンコマント達も言う。
「それで済むぞ」
「けれど皆しないな」
「それならいいな」
「見られても仕方ないよな」
「そうしないんだからな」
「何かそうするには抵抗があるんだよ」
さりなは視線を逸らして述べた。
「ズボン穿いたりスカートの下にブルマとかはな」
「ああ、ブルマもいいよな」
智樹は下衆な笑みで言った。
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