第一章
[2]次話
ケーキはドイツ
八条学園幼等部四年生の井口瑠璃の好物はケーキである、それでケーキを前にするといつも心からの笑顔を浮かべるが。
楚々とした顔立ちでピンクの奇麗な小さい唇と白い肌に長く伸びたやや癖のある茶色の髪の毛を持つ彼女はある日自分のクラスでこんなことを言った。
「ケーキってフランス料理だからあんなに美味しいのね」
「えっ、ケーキはフランス料理じゃないわよ」
そのフランス人であるマルグリット=ボレロ瑠璃の友人である彼女はその言葉に即座に突っ込みを入れた。金髪をショートにしていてやや丸顔で青い目とあどけない顔立ちが可愛い。背は瑠璃と同じ位だ。
「フランスはマカロンやクレープよ」
「あれっ、そうなの?」
「私お母さんにそう言われたわよ」
「私ずっとフランス料理と思ってたけれど」
瑠璃は驚きを隠せない顔で言った。
「違ったのね」
「そうよ」
「じゃあ何処の国のお料理なの?」
「ドイツよ」
マルグリットは首をかしげる瑠璃に答えた。
「ケーキは」
「ドイツのお料理なの」
「そうよ、オーストリアとかね」
「そうだったのね」
「あちらのお料理で」
それでというのだ。
「よく食べられてるのよ」
「そうだったのね」
「瑠璃ちゃんドイツ料理って言ったらソーセージでしょ」
「あとハンバーグね」
瑠璃はこちらもと答えた。
「それとジャガイモね」
「ジャガイモを色々お料理にしてよ」
「食べるのよね」
「ええ、けれどね」
「ケーキもなのね」
「そうよ、フランス料理じゃないからね」
「そう思っていたけれど」
瑠璃は首を傾げさせ続けつつ言った。
「フランス料理はマカロンやクレープね」
「そういうのよ」
「覚えておくわね」
「あとアイスクリームもフランスじゃないから」
マルグリットはこちらもと話した。
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