敢闘編
第六十一話 戦いの合間に
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っただろうが、大変だった…失礼しました、ワイドボーン中佐」
一気に四人も増えると賑やかになるな。しかしワイドボーンはともかく上官の前で取る態度じゃないなこいつら…。ミリアムちゃんだって唖然としてるじゃないか。
「しかしもう准将閣下か。こりゃ態度を改めなきゃいけませんな。閣下、何卒よろしくお願いいたします」
「私は気にしませんけどね」
俺の言葉にワイドボーンが首を横に振った。何か言いたげな顔をしている。
「どうかしましたか、中佐」
「いえ、閣下のお気持ちは分かります、ですがそれは閣下の為になりません。以前もご一緒に勤務させてもらいましたから、閣下が居丈高な方ではない事は承知しております。ですが閣下は若いとはいえ既に閣下と呼ばれる地位にあるのです。確かに此処に集まっているのは士官学校では先輩後輩、年も近く気になさるのは分かりますが、そこはどうかお気になさらぬようお願いいたします」
ワイドボーンの優等生的な発言で皆が背筋をピンと伸ばしている。そうだよ、俺だって分かっているけど…まあいい、確かにワイドボーンの言う通りだ、軍隊は階級社会、年が若かろうとも准将は准将、指揮官なんだ。俺がけじめをつけないと俺だけでなく彼等の為にもならないな。ありがとうワイドボーン…。
5月17日12:45
ハイネセンポリス、中央区三番街、三日月兎亭、
ミリアム・ローザス
いいのかしら…午後から休暇処理、着任祝いで皆で昼食会だなんて。ウインチェスター閣下の直接の上司はシトレ本部長だけれど、高等参事官室全員が休む事を許可するなんて、いったい何を考えているのだろう…。
「少尉!待たせてしまってすみません」
「全然待ってないですよ、皆さんは既に中でお待ちです」
折角の昼食会という事で、閣下はキンスキー准尉にも声をかけていた。男性五人に女は私一人、閣下が気を使ってくださったのだ。
「けどいいんですか?小官は部外者ですけど」
「誰も部外者だなんて思っていませんよ。それに、面子を見たらエリカは多分笑うよ、って閣下は仰ってましたわ。さあ、入りましょう」
店内に入って面子を見た途端、キンスキー准尉は本当に笑い出してしまった。ちゃんと挨拶をしたのは初対面のワイドボーン中佐にだけだった。
「エリカちゃん、俺たちの顔に何かついてるか?何がそんなにおかしいんだ」
「いえ、想像通りのメンバーでおかしくてつい…失礼しました、アッテンボロー少佐」
私の想像以上に皆プライベートでも仲がいい様だ。私はちょっと会話に入りづらい。ワイドボーン中佐も同じ様に感じたのだろう、私のグラスにワインを注ぎ始めた。
「マフィアを作るってのは本当のようだね、少尉」
「中佐はご存じだったんですか」
「スタッフに誘われる時に通信をもらってね。何でも本
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