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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
敢闘編
第六十一話 戦いの合間に
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している、なんで失敗しているのにその規模でしかイゼルローンを攻めないのかなあ、何か理由があるのかな、って…ね」
「ですが…大軍で攻めれば陥とせる、という訳ではないと思いますが…」
「確かにそうだね。でもイゼルローン要塞がいくら難攻不落と言っても限界はある。要塞は単体では成り立たないんだ、動けないからね。だから機動兵力として駐留艦隊がいるこいつが厄介なんだ。これを撃破するか動きを封じなきゃいけない。となると同数ではダメ、最低でも二個艦隊はいる。そして過去の戦いを見るとこちらの戦力に対して増援が無い場合もあるけれどある場合は一個艦隊規模の増援が来る。それに対する為に三個艦隊から四個艦隊。相手の艦隊をどうこうするのに最低でもこれだけ必要なんだ。本部長の作戦案では動員兵力に問題があった。だから全艦隊を繰り出したのさ。大軍の方が選択肢は増えるからね」
「ですが、増援が一個艦隊とは限りませんが…」
「だからこその十二個艦隊だよ。多少増援が多くても大兵力で一気にカタを着ける、という事さ。だから作戦目的を秘匿する必要があったんだ。全艦隊を動員すると知れたら、帝国だって手をこまねいてはいないからね。それに全艦隊の動員なんて何度も打てる手じゃない、だったら一度で思い切りやろう、という訳さ」
確かに准将の言う通りだった。大兵力で対処する…正論だわ。でも実際には過去の戦いとそう変わらない四個艦隊という兵力でイゼルローン要塞を攻略している…めちゃくちゃすごい事じゃないの……と私が准将の話に感心していると、電話が鳴った。



5月17日10:30
自由惑星同盟軍、統合作戦本部ビル、高等参事官執務室、
ヤマト・ウィンチェスター


「はい、統合作戦本部、高等参事官室、ローザス少尉です…はい…はい。少々お待ち下さい…閣下、新着任の方々が受付に到着されたそうです。こちらにお通ししてもよろしいですか?」
「やっとか…頼むよ」
彼女が受話器を置いた五分後、執務室のドアがノックされ、四名の士官が部屋に入って来た。
「マルコム・ワイドボーン中佐ほか三名、ただいま着任しました。よろしくお願いいたします」
部屋に入って来たのは…ワイドボーン、アッテンさん、フォーク、スールズカリッターの四人だった。
「皆、よく来てくれた。心から歓迎します」
「こちらこそ呼んで頂き光栄です。前線がアムリッツァ星系に移ってしまったので、エル・ファシルで腐っておりました。なあフォーク大尉」
「はい。閣下のご活躍を羨ましく思っておりました…ところで何故スールとアッテンボロー先輩がここに居るのです?スールは第三、アッテンボロー先輩は第二艦隊のはず…何か失敗でもしましたか?」
「お前、相変わらず生意気だなあ。ちゃんと功績立てて昇進してるよ」
「そうだ、お前はエル・ファシルで高見の見物だ
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