敢闘編
第六十一話 戦いの合間に
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「そうか…毎朝の日例会議、午後のTV会議…俺のスケジュールってこれくらいだもんなあ。君を付けて貰って申し訳ないくらいだよ。最近の君の仕事って何だっけ?」
「先程報告した閣下のお読みになりたい本の手配、今閣下の言われた日々のスケジュール管理、あとは閣下のご婚約者のキンスキー准尉の買い物の手伝い…ですね」
「最後は公私混同も甚だしいな…でも暇なのに俺は行く暇が無いんだよ。それに女性の買い物は女性同士の方がいいかなと思ってね」
閣下の婚約者のキンスキー准尉は、後方勤務本部の総務部に在籍している。たまにこの部屋にも来るけど、とても愛くるしい方だ。なんで軍人なんかになったのかとても疑問に思う。
紹介された当初はとても警戒された。この執務室に私と准将の二人きりなのだ、彼女からすれば男女の仲になってもおかしくはない、くらいに思われていたのだろう。実際、そういう人達は多い。でも准将はそんな彼女の気持ちなどお構いなしに私をキンスキー准尉の買い物やプライベートの相手をさせ始めた。正直私も戸惑ったが、他にやる事もないのでそれに付き合う内に准尉も私への警戒を解いてくれた。このままいい友人になれたら、と思っている。
「まあ、そうですね」
「キンスキー准尉…エリカとは上手くやれてるかい?」
「はい、お陰さまで…友人って大事だなあと痛感しました」
「そうか、それはよかった」
「失礼ですが、ご結婚はまだなさらないのですか?」
私の質問に、准将は腕を組んで天井を見ている。
「…ハイネセンに居る内に、と思ったんだけどね。今は目立つなとも言われているから、当分先かな」
准将は私の質問にそう答えると、コーヒーを頼むよ、と言って窓の外を眺めだした。目立つな…どういう事だろうか。
「目立つな、というのは…」
「そのままの意味だよ。大人しくしてろ、という事さ。君も目立たなくていいだろう?」
「それは…」
「ブルース・アッシュビーの再来と七百三十年マフィアの孫娘…目立ちそうな組み合わせとは思わないか?目立つなという割には本部長も何を考えているのやら」
「…小官もそう思っていました」
「だよねえ。まあしばらくはここでのんびり過ごすさ。君も遠慮なく年次休暇、使っていいからね」
「ありがとうございます……あの、お聞きしてもよろしいでしょうか」
「うん、どうぞ」
「本当に閣下が先年の作戦を考えられたのですか」
「原案はシトレ本部長だよ。本部長の作戦案には帝国本土への侵攻は無かったけれど。言いにくい事だが、本部長の作戦では成功しない、と思ったんだ…誰にも言わないでくれよ?」
「は、はい。…なぜ成功しないと思われたのですか?」
「うーん…何でだろうね。でも俺の考えた案もただの思いつきだったんだよ」
「そうなのですか?」
「そうだよ。毎回三個から四個艦隊で失敗
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