第９３話
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“兆”の姿の悟空とグラノラの無言の激突が続く。
悟空の回し蹴りを受け止めながらグラノラも拳を悟空の顔面に喰らわせる。
｢ぐっ！｣
悟空も吹き飛ばされるが何とか体勢を立て直し、手刀をグラノラの横っ面に浴びせて仰け反らせるとそのまま拳を振るうがグラノラもすぐに体勢を戻して受け止める。
｢だあっ！！｣
グラノラの膝蹴りが悟空の腹にめり込み、悟空が血反吐を吐くが構わず殴り返す。
｢波ーーーっ！！｣
追撃のかめはめ波を放つが、グラノラはシールドで防ぐ。
悟空は勢いをつけて飛び蹴りを繰り出しながらシールドの弱所を見切って砕き、グラノラを蹴り飛ばす。
｢はあ…はあ…っ！ぐっ！！｣
｢どうした？身勝手の何とかはもう終わりか？｣
霧散しそうになったオーラを何とか保つ。
そんな悟空にグラノラは周囲の岩を浮かせて悟空に放ち、そして爆発させる。
何とか悟空はそれを防ぐが、ふらつき始める。
｢…やっぱもう、保たねえか…こうなったら一撃に賭けるしかねえ…｣
このままでは“兆”が解けてしまうと判断した悟空は最後の一撃を放とうと拳に全ての力を集約する。
｢来るか…！｣
グラノラにとって一番警戒する技は龍拳だ。
まともに喰らったら確実に敗北する。
｢オラの全てをこの一撃に…！｣
高速で動き回り、更に瞬間移動まで駆使してグラノラを撹乱しようとするが、グラノラは無言のまま気で弓矢の形を作る。
｢…行くぞ…っ！｣
瞬間移動でグラノラに接近し、龍拳を叩き込もうとしたがグラノラが構えを解いて悟空の拳に両手の指を向け、そしてグラノラの左眼が赤くなるのを見た。
｢なっ！？左眼も赤く…｣
｢はっ！！｣
グラノラが気弾を放って悟空の龍の気を打ち砕くと大爆発が起きた。
｢くっ…！オラの龍拳を…｣
いくら完全発動前だったとは言え新技を破られたことに驚くが、爆発に巻き込まれたのはグラノラもそうだったようでいくらかダメージを受けている。
｢礼を言うよサイヤ人。俺はお前のおかげで手に入れた力を引き出すことが出来た…正直かなりギリギリだった。もし少しでも遅れていたらただでは済まなかっただろう。｣
｢ち、畜生…最初から“兆”でやるべきだったかな…？｣
“兆”でサイヤ人の闘争本能と自分らしい闘い方を実戦に投入したのが初めてだったのもあるが、こうなるのなら最初からこの闘い方で挑むべきだったと苦笑する。
｢やはり俺は正しかったようだな。運命はサイヤ人は滅びるべきと判断した｣
｢勝手なことを抜かすな、貴様なんぞがサイヤ人の運命を決める権利はない。最期は俺達が決める｣
｢ベジータ…！｣
｢交代だカカロット。後は俺がやる｣
｢ベ
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