第七十五話 デモその一
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第七十五話 デモ
この日咲はクラスメイト達と共に新宿に出ていた、そこで遊ぼうと携帯で連絡をしてそのうえで決めたことだ。
新宿の駅前歌舞伎町の傍で待ち合わせたがここでだ、クラスメイトの一人が笑いながらこんなことを言った。
「歌舞伎町行ってみる?」
「危ないわよ」
別のクラスメイトが顔を曇らせて応えた。
「歌舞伎町なんて」
「色々聞いてるわね」
「あそこ程色々ある場所はないでしょ」
「そうらしいわね」
「そんなとこに高校生が入るとか」
そうしたことはというのだ。
「止めた方がいいわよ」
「今午前中だけれど」
「午前中でもよ」
その時間帯でもというのだ。
「危ないわよ」
「お店やってないのに?」
「あっ、そうね」
そのクラスメイトは言われて気付いた。
「お店やってないならね」
「別に問題ないでしょ」
「そうね、けれどお店やってないなら」
それならそれでと述べた。
「行ってもね」
「仕方ない?」
「そうでしょ」
「そうなのね」
「というか今回別に歌舞伎町に行く理由ないでしょ」
そもそもというのだ。
「そうでしょ」
「そうね、じゃあね」
「お店行きましょう」
「それじゃあね」
こうした話をして新宿の高校生が行く様な場所に行って遊ぶ、そしてその後でちょっと足を運んでだった。
通りに出たがここでだった。
「原発反対!」
「徴兵制反対!」
「安保反対!」
「戦争反対!」
赤い旗を振って叫んでいる一団を見た、その一団を見てだった。
咲は眉を曇らせてクラスメイト達に言った。
「デモよね」
「ええ、何か言ってるわね」
「戦争がどうとか」
「今日本戦争してないじゃない」
「あと何で原発言ってるの?」
「訳わからないわね」
「そうよね、それにね」
咲はクラスメイト達にさらに言った。
「私達は夏休みだけれど」
「今日平日よね」
「それで午前中だけれど」
「普通の人働いてる時間よ」
「夜にお仕事ある人もいるけれど」
「あの人達お仕事してるの?」
「してないんじゃないの?何かね」
咲はデモをしている一団をまじまじと見つつ話した。
「結構なお年寄り多くない?」
「あっ、確かに」
「初老の人多いわね」
「それで服装同じ感じね」
「何か働いてる感じじゃないわね」
「普段はね」
「あれがプロ市民?」
咲はここでこの言葉を出した。
「ひょっとして」
「あの噂の」
「胡散臭い人達ね」
「デモばかりしてる」
「それも平日の昼間から」
「今は午前中だけれどね」
それでもとだ、咲は言った。
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