五百二十五話 伝説の決戦の地でその十一
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「今白い服着ている弟さんはね」
「ああなっているのはどうしてか」
「余裕がないからですね」
「若いとね」
どうしてもというのだ。
「まだまだ人生経験が足りないからね」
「余裕もない」
「そうなんですね」
「そうよ、余裕は経験で備えるものよ」
こうも言うのだった。
「本当にね」
「僕いつも余裕持ってるよ」
エーリカは空から銃撃をして援護をしつつ言ってきた。
「だから合格だよね」
「お前さんは違うだろ」
そこに直枝が来て言ってきた。
「ただいい加減なだけだろ」
「そうかな」
「もうちょっとしっかりしろ」
接近戦で空の敵を次々に殴り倒して倒しながら言う。
「本当にな」
「そう言いつつしっかりハルトマンの嬢ちゃんフォローしてるな」
「そうだね」
黒影・真とグリドンは直枝の戦いを見て言った。
「銃撃に専念出来る様にね」
「しっかり守ってるな」
「た、たまたまだよ」
直枝は二人の指摘に顔を赤くさせて返した、ただし穿いている純白のものが常に丸見えなのは最早スルーしている。
「それはな」
「そうか?まあそう言うならな」
「俺達はいいけれどさ」
「その優しさも持っておきなさい」
ブラーボは温かい声で述べた。
「貴女の力になるわ」
「そうか?」
「そうよ、優しさだけでは駄目だけれど」
それでもというのだ。
「優しさはね」
「持っておくものか」
「絶対にね、何の温かみもなく厳しいだけなんてね」
そうした輩はというのだ。
「やがて何もかもを失うわ」
「人間としてですね」
「大切なものをね」
フッドにも答えた。
「そうなるものよ、けれどそれがあったら」
「優しさがですね」
「全く違ってくるのよ」
「それが人間ですね」
「そういえば聞いたが」
伊勢が言ってきた。
「今この世界の日本で好き勝手をしている」
「フェニックスとかいう組織の長官だが」
日向も言う。
「最早化けものかと思ったが」
「ここに来て意外な面を見せてきたな」
「あれは何なのじゃ」
クイーン=エリザベスも言う。
「まさかまだ人間の心が残っておったか」
「まだわからないわ、ただ完全に化けものになると違うわ」
ブラーボは艦艇の少女達に冷静な声で話した。
「外見はどうであれこれ以上はなくおぞましいものよ」
「それが貴殿達が戦ってきた相手にもおったな」
「そうでしたね」
「ええ、インベス達にもいたけれど」
他にもというのだ。
「他の種族や組織にもね」
「いたわね」
「そうでしたね」
「ええ、人間は間違えるわ」
両手に持つ棘付きのクラブを振るいつつ言う。
「けれど完全に化けものになると」
「間違えてるかっていうとな」
「もう違うからな」
黒影・真とグリ
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