第一章
[2]次話
急に髪の毛を伸ばして
幼馴染みで同じ高校同級生の石上理佐が急にそれまでの茶色のショートを止めて黒髪に戻して伸ばしはじめたのを見てだ。
斧守才蔵は首を傾げさせた、そのうえで大きな気の強い感じの目で小さな唇と顎の先が尖った小さな頭を持ち一五四位の背で均整の取れたスタイルの彼女に問うた。
「何かあったのか?」
「べ、別に」
理佐は長方形の頭に形のいい顎を持ち太めの長い眉ときりっとした目と引き締まった唇に短くした黒髪で一八〇のバレーボールで鍛えた体を持つ彼に応えた。
「何もないわよ」
「そうか?」
「ええ、気にしないで」
何処かよそよそしく言うのだった。
「髪のことは」」
「それじゃあな」
「ええ、それで再来月だけれど」
理佐は顔を赤くさせて才蔵に言った。
「私部活のコンクールあるから」
「吹奏楽部のか」
「私も出るから」
そのコンクールにというのだ。
「よかったら来てね」
「ああ、部活暇だったらな」
才蔵はそれならと応えた。
「そうさせてもらうな」
「頼むわね、その時若し入賞したら」
理佐は必死の顔でさらに話した。
「私もやることあるし」
「やること?」
「入賞したらよ」
その時にというのだ。
「だからね」
「コンクールにはか」
「出来る限り来てね」
「そうするな」
才蔵は約束した、そして理佐にとって幸いなことに。
才蔵はコンクールに観客として来ることが出来た、理佐は彼に対してコンサート会場の前で必死の顔で言った。
「入賞したらね」
「その時にか」
「やることあるからその時また連絡するわね」
「スマホにだよな」
「そうするから」
だからだというのだ。
「宜しくね」
「ああ、それじゃあな」
才蔵は理佐の言っていることがよくわからなかった、だが。
観客席からコンクールは聴いた、彼には今一つそれぞれの学校の演奏の出来不出来はわからなかった。
だが自分達の高校つまり理佐が所属している吹奏楽部が入賞したのはわかった、すると暫くしてだった。
理佐からスマートフォンに連絡が来た、すると翌日の放課後駅前の喫茶店で会いたいとあった。この時も何が何かわからないままだ。
才蔵はわかったと答えてそれでその喫茶店に入った、すると。
理佐は必死の顔でだ、才蔵に言った。
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