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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
無印編
第六話 協力関係 ★
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ホラー映画みたいに血を吸った人が全員吸血鬼になったりはしないわよ」
なるほど。
これがこの世界での吸血鬼の概念。
吸血鬼というよりは俺達の世界の混血に近い。
遠坂の手紙にあった吸血鬼の概念が違いすぎるとはこういう事か。
確かにこれだけ違えば修正力が働くのも頷ける。
「私としては海鳴市の最大の霊地であるこの土地に住んでいる海鳴市のオーナーであろう月村に挨拶を、と思ったのだがね」
「霊地? それに海鳴市のオーナーって?」
俺の言葉に忍さんを始め、皆が首をかしげているが無理もないだろう。
「この海鳴市はかなりの霊脈がある。その霊脈の集まるところが霊地。
この土地は海鳴市の中で最大の霊地なのだ。
本来この規模の霊地がある土地ならば霊脈を管理する魔術師がいる事が多い。
月村がそれに当たると思ったのだが」
「残念ながら私たちはそんな知識ないわね」
まあ、そうだろう。
だがこれだけの霊地だというのに何も使わないというのはいささかもったいな気がする。
これを取引に使うか。
「どうだろう、私が霊地の魔力運用に力を貸す。
その魔力によって月村邸の警備、魔術師にとっては結界だがそれを張ろう。
うまく管理すればオカルト的ないい方になるが運や気の流れがよくなる」
「……その対価は?」
「今の私には戸籍がない。さらに子供の身では何かと不便でな。
私と存在しない身元引受人の戸籍を偽造してもらいたい。
それと協力関係を結びたい」
俺の言葉に忍さんは眉をひそめる。
「たったそれだけでいいの?
それに霊地の運用に関して私達に知識を与えても問題ないの?」
「ああ、それで問題はない。
それに霊地の運用に手を貸したところで私に支障もない」
事実、霊地の運用に関してのみならば何ら問題はない。
それに形だけ、というか互いを黙認しあう存在だけとしても協力者がいるのは心強い。
そしてしばらく思案していた忍さんだが、何か頷いて
「海鳴に住む魔術師、それはあなた以外に何人いるの?」
警戒しながらそう尋ねてきた。
なるほど協力関係うんぬんよりも俺の味方が何人いるかが気になったようだ。
だが残念ながらこの世界においてそれはいない。
「私だけだ。親も仲間もこの世界にはいない。
魔術は秘匿されるものだから他の魔術師の存在も知らない」
将来的に遠坂達がくる可能性がないとも断言はできない。
だが現状でいえば俺が知る魔術師は自身だけだ。
「……ごめんなさい。無神経だったわ」
「そんな顔をしないでくれ」
さすがに並行世界から来たことは明かせないので曖昧な言い方だが俺が一人という事は理解できたようだ。
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