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アイドル推しは全てを賭けて
第一章
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               アイドル推しは全てを賭けて
 佐古下風花と宮城澄花はとあるアイドルを応援している、風花は茶色のショートヘヤで大きな切れ長の目と小さな八重歯が見える口を持っていて顔はやや丸い。背は一四八程で胸は八八はある。澄花は黒髪を後ろで束ねやや面長の顔で眼鏡の奥の目は奇麗なもので唇は小さい。背は一五八位ですらりとしたスタイルだ。
 二人はともに大学生で同じサークルにいるがだ。
 一緒にいるとそのアイドルのことをよく話した、風花は笑顔で言った。
「トシ君の今度のコンサートもね」
「一緒に行きましょう」
 澄花は笑って応えた。
「そうしましょう」
「そうしないとね」
「そうそう、折角のコンサートだしね」
「行かないと駄目よね」
「アルバイトも開けてもらったし」
「二人で行きましょう」
「あの、いいかな」 
 二人にだ、同じサークルの先輩である伊達佐千雄が言ってきた、四角い顔で眼鏡をかけた大男で黒髪は長い。
「二人共何かアイドルに」
「はい、推しです」
「推ししてます」
 二人で伊達に笑顔で答えた。
「もう凄くいいんですよ」
「格好良くて美形で」
「しかも明るくて気さくで」
「歌もダンスもいいんですよ」
「演技力はまだこれからですが」
「最近ドラマにも出てますよ」
「そうなんだ、僕も好きな女性アイドルいるけれど」
 伊達は自分のことからも話した。
「二人のアイドル好きはね」
「凄いですか」
「先輩から見ても」
「かなりね」
 こう言うのだった。
「本当に」
「いや、好きですから」
 笑顔でだ、風花が答えた。サークルの部室で澄花とそのアイドルの話に興じていたその中でのことである。
「もう本気ですよ」
「本気で応援してるんだね」
「そうです、グッズも揃えて」
 そうしてというのだ。
「イベントにもです」
「参加してるんだ」
「そうしてます」
「コンサートのお話してましたけれど」
 澄花も言ってきた。
「コンサートも参加してます」
「今度もだね」
「参加します、そして」
 そのうえでというのだ。
「楽しんできます」
「そうなんだね」
「はい、そして」
 さらに言うのだった。
「死ぬ気で応援してきます」
「死ぬ気って」
「いや、そうじゃないとですよね」
 澄花は伊達に強い声で言った。
「駄目ですよね」
「アイドルの推しは」
「はい、さもないと」
 それこそというのだ。
「本物じゃないですよ」
「あれですよ、推しもですよ」
 風花がまた言ってきた。
「本気でです」
「応援するもので」
「命も賭けて」
 そうもしてというのだ。
「やるものですよね」
「そこまでなんだね」
「はい」
 澄花と同じだけ強い声での返事だった。

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