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八条学園騒動記
第六百七十六話 ネットから来たその八

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「数える程しかいない筈だ」
「そんなところだな、警察も腐った奴ばかりじゃない」
 フックも言った。
「むしろな」
「健全な人の方が多いな」
「遥かにな」
 フックは自分が信じていることを話した、それは彼が思うことであるがそれでも事実であることは確かである。
「だからな」
「逃げ切れるかというと」
「本当に難しいな」
「逃げ切れた奴は天才だ」
 タムタムはこうまで言った。
「悪事から逃げることについてのな」
「そちらの天才か」
「世の中色々な天才がいるが」
「逃げる天才もいるか」
「そうだ、、その天才でもないとだ」
「悪事からは逃げ切れないか」
「とてもな、ベリヤは屑でもだ」
 そうであってもというのだ。
「秘密警察の人間としては優秀で悪事を揉み消す才能もだ」
「あったか」
「しかしだ」 
 それでもというのだ。
「しかしな」
「それでもか」
「逃げ切る才能はな」
「なかったか」
「スターリンをして手出しさせなかった」
 少なくとも粛清の対象にはなっていない。
「しかしな」
「逃げ切れなかったな」
「それを見るとな」
「逃げ切る天才ではか」
「なかった、もっともあそこまで嫌われているとな」
 そして憎まれていた、秘密警察という弾圧と監視それに粛清にあたる者の常としてベリヤは党内でも嫌われていたのだ。
「逃げ切れない」
「捕まってか」
「そして処刑されることがだ」
「当然の結果か」
「だが天才ならな」
 自分の悪事から逃げ切るそれがというのだ。
「やはりな」
「逃げ切ったか」
「その筈か」
「だからだ」
 それでというのだ。
「ベリヤはその才能はな」
「なかったか」
「その筈だ」
 こう言うのだった。
「俺が思うだけだがな」
「そうか」
「ああ、そしてあの探偵はな」
「ここに来てすぐだったからか」
「地元の警察を抱き込めずな」
 それでというのだ。
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