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レーヴァティン
第二百六十七話 西に帰りその七

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「いつもたらふくな」
「それなら同じだな」
「そちらとか」
「ああ、まずは民をいつもたらふく食わせる」
「そうしてこそだな」
「政だ」
 それだというのだ。
「そう考えているからな」
「お前もそうしているな」
「そして今蝦夷ではな」
 この地ではというのだ、東の浮島で最後に手中に収めた場所でありこの地のこともここで話すのだった。
「ジャガイモそれに玉蜀黍もだ」
「作らせてるんだな」
「そしてな」 
 そのうえでというのだ。
「お前の言う通りにな」
「民をだな」
「腹一杯食わせる様にだ」
「これからもしていくんだな」
「だから家畜もだ」
 そちらの牛や豚達もというのだ。
「牧畜や酪農の為にな」
「育てているか」
「牛に豚、鶏に羊もな」
「羊もか」
「こちらでは馴染みがないが」
 東の浮島ではというのだ。
「その肉はな」
「美味いのにな」
「食文化にはないからな」 
 だからだというのだ。
「どうしてもな」
「馴染みがないな」
「しかしな」
「美味いことは事実だからな」
「そうだ」
 それ故にというのだ。
「これから民に食ってもらってだ」
「そのうえでか」
「腹を満たさせてもらう為にだ」 
 まさにその為にというのだ。
「育ててな」
「食ってもらうか」
「そうしている」
「やっぱり俺の言う通りだな、島は違ってもな」
「目指すところは同じだな」
「そうだな、政はな」 
 久志は貝殻の向こうで笑って話した。
「民が腹一杯食ってるとな」
「まず及第だ」
「そしてそこからな」
「はじめていく、また兵もだ」
 戦う彼等もというのだ。
「同じだ」
「まずは腹一杯食わないとな」
「戦えるものじゃない」
「武士は食わねどじゃないからな」
「腹が減ってはだ」
 戦は出来ぬとうのだ。
「むしろな」
「そういうことだな」
「だからだ」
 それ故にというのだ。
「兵達にもだ」
「食わせてるな」
「常にな、また保存の出来るものもだ」
 そうした食事もというのだ。
「用意させている」
「干したのとか塩漬けとかな」
「燻製もだ」
「あと瓶詰もあるな」
「造らせている」
 実際にというのだ。
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