第五百二十四話 チャルディラーンにてその七
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「首が飛びやすいとか」
「それで今みたいにくっつけるか」
「そうなるとか?」
「元の世界でもよく吹き飛ぶしな」
「だったらね」
それならというのだ。
「もうね」
「そうした仕様か」
「歩の場合はね」
「変な仕様だな、けれどくっつけてな」
首をとだ、歩は接着したところが縫われ終わってから言った。
「またな」
「戦うんだね」
「ああ、復帰するよ」
「もう少し休んでいったらいいよ」
だがここで奈良が言ってきた。
「君丁度交代時間だったし」
「そうしていいですか?」
「休める時は休んでね」
「また戦うことですね」
「だからね」
そうするべきでというのだ。
「今はね」
「俺もですか」
「うん、ゆっくり休んで」
そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「また戦えばいいですか」
「そうしよう」
歩に優しい声で話した。
「今はね」
「わかりました、それじゃあ」
歩も頷いてだった。
奈良の言う通りに休んだ、そうしてまた戦場に戻るのだった。
サツキは攻撃を繰り出してファントムを数体ずつまとめて倒していた、だがそれが続き肩で息をしていた。
「本当に尽きないわね」
「あら、復帰したばかりでもうお疲れかしら」
「私達もいるよ、頑張ろう」
「まだまだこれからですよ」
「いや、ちょっと待って」
サツキは共に戦う静乃と十兵衛そしてまどかに言った。
「誰が誰かわからないわ」
「あら、長いお付き合いだと思っていたのに」
「私達わからない?」
「そうなんですか?」
「耳だけだとね」
その目で見ないと、というのだ。
「わからないわよ」
「そうなのね」
「そうよ、あんただってわからないでしょ」
サツキは自分の横にいる静乃に問うた。
「私が桃子や小猫と一緒にいても」
「ええ、わからないわ」
静乃も否定しなかった。
「耳だけではね」
「それで何でそう言うのよ」
「長い付き合いでも無理なことは無理なのね」
「そうよ、しかしね」
サツキはここで笑って話した。
「今のやり取りで気がほぐれてね」
「それでなのね」
「少し気力が戻って気がするわ」
「貴女だけではないわ」
静乃はこうも言った。
「そのことは言っておくわ」
「その言葉を聞いてよ」
それでというのだ。
「尚更よ」
「疲れがましになったのね」
「皆がいてくれると思うと」
「それだけで楽になるわね」
「かなりね、感謝するわ」
「お礼はいいわ」
静乃は今度は微笑んで述べた。
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