第五百二十四話 チャルディラーンにてその六
[8]前話 [2]次話
「ちょっと手当してくれるか?」
「いやあ、凄い光景だね」
キュウべえはその歩に対して言った。
「僕が見てもね」
「首が吹き飛んだからな」
「普通それで死ぬよね」
「俺ゾンビですから」
歩はそれでと答えた。
「これ位だと平気だよ」
「一度死んでるとだね」
「もう死なないから」
「ゾンビはそうだね」
「だから平気だよ」
「じゃあその首をだね」
「くっつけてくれるか」
こう言うのだった。
「ここは」
「わかりました」
ルチアが応えた。
「すぐに縫います」
「宜しくね」
「任せやがるです」
「いつも悪いね」
「気にしないことです、歩さんはいつも頑張ってやがりますので」
それでというのだ。
「これ位何でもないです」
「そうまで言ってくれるんだ」
「では糸と接着剤を出します」
「ここに」
アンジェレネがその二つを出してきた。
「縫ってです」
「接着剤でくっつけてからでやがります」
「そうしたら大丈夫ですね」
「後はすぐに元に戻るからね」
歩もこう答えた。
「それでいいよ」
「ではです」
「すぐにくっつけやがります」
「便利っていったら便利か」
ヴィショウブは早速首と身体をくっつけられだしている歩を見て言った。
「死なないしすぐにくっつくからね」
「まあな、ただ日差しが強いと」
「干からびるか」
「ゾンビはね」
「そこは大変だな」
「いいことばかりじゃないよ」
歩はヴィショウブに話した。
「やっぱりね」
「よし悪しだな」
「どんな身体でもそうだよ」
「それは悪いこと言ったな」
「いいよ、しかし何かあっても皆吹き飛ぶ位で済んでも」
歩はこうも言った。
「俺はよく首が飛ぶな」
「そういえばそうですね」
涙子は歩の言葉に頷いた。
「歩さんって」
「首や手足が吹き飛ぶこと多いですね」
淡希も言った。
「何かあると」
「そうなんだよな、頑丈さは変わらないと思うけれど」
「それがですね」
「どういう訳かな」
これがというのだ。
「俺の場合はな」
「よくですね」
「身体が吹き飛ぶんだよな」
「特に首が」
「どうしてなんだろうな」
「そうした仕様とか?」
アオはこう考えた。
「それで?」
「仕様?」
「そう、それでね」
こう歩に話した。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ