第五百二十四話 チャルディラーンにてその五
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「あたし達がたるんでるってか」
「そう見えるんだよ」
「今の戦いぶりではな」
「そう思われたくないならしっかりやれ」
「その様にしろ」
「じゃあよく見てろ、あたしがたるんでる筈ないだろ」
こう言ってだ、さりなは。
ヨーヨーを放ち数体のファントムを両断した、そうして言った。
「この通りだよ」
「我等も同じだ」
「たるんでいるとは心外だ」
「では我等の戦いを見せよう」
ヴァイスに続いてだ。
グランツとケーニッヒも言ってだった、さりなを援護して空から攻撃を行う、そうしながら言うのだった。
「東部戦線でもこうだ」
「激しい戦いが続いているからな」
「ここでも同じ様に戦わせてもらう」
「そうしろ、神様が相手だからな」
「おいそれとは勝てんぞ」
ゴブリン上司と豚教官も応える。
「だからだ」
「戦うなら全力でいけよ」
「そうしてるって言ってるだろ、この通りな」
また敵を倒すさりなだった、そして。
戦場を見てだ、あらためて言った。
「前に出るべきじゃないってのはな」
「そのことはわかるな君も」
「ああ、わかるよ」
空にいるノイマンに応えた。
「喧嘩でもそんな時があるからな」
「戦争もだな」
「迂闊に前に出ないでな」
そうしてというのだ。
「戦うべき時がある」
「そうなんだよな、かなり戦ってきたからな」
「君もわかっているな」
「わかる様になったさ、だからな」
「今もだな」
「前に出ないでな」
それでというのだ。
「戦っていくな」
「そうしてくれ、だが君の戦い方はな」
ヴァイスが銃撃を出しつつ言ってきた。
「守っていても激しいな」
「ああ、どうしてもな」
「だから体力の消耗も激しい」
「だからだな」
「そのスタイルは変わらないにしても」
戦闘のそれはというのだ。
「しかしだ」
「それでもだっていうんだな」
「体力がなくなればな」
その時はというのだ。
「すぐにだ」
「交代してか」
「下がることだ」
「その時の援護は任せろ」
グランツも言ってきた。
「我々にな」
「悪いな」
「悪くはない」
全くとだ、グランツは優しい笑顔で応えた。
「仲間同士だからな」
「それでか」
「上は任せてな」
そうしてというのだ。
「下がってくれ」
「じゃあそうさせてもらうな」
「うむ、安心して下がってくれ」
「それじゃあな」
さりなも頷いて戦っていった、そのヨーヨーが鋭く動いていく。
戦いは続いており歩はというと。
今は自分の頭を抱えて後方に戻って仲間達に話した。
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