第五百二十四話 チャルディラーンにてその一
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第五百二十四話 チャルディラーンにて
操真はチャルディラーンに入ってまずこう言った。
「また大軍同士がぶつかりやすい場所だな」
「だから決戦の場所になったんだろうな」
仁藤も周りを見回して述べた。
「ここは」
「決戦になるにはか」
「それに相応しい場所でってことだな」
「そういうことか」
「それにイスラムだろ」
仁藤はこうも言った。
「ここは」
「オスマン=トルコとペルシアだったな」
「戦ったのはな」
「両方共イスラムの国か」
「イスラムって魔術にも関係が深いだろ」
「研究がかなり進んだ地域か」
「錬金術とかもな、それが西洋に入ってな」
そうなってというのだ。
「俺達の知る魔法になってだよ」
「魔法使いも生まれたからか」
「ここはな」
「俺達魔法使いにも縁があるか」
「そうした場所なんだよ」
「それは意外ですね」
まどかは二人の話を聞いて言った。
「ここがそうした場所だなんて」
「そうだろ、けれど面白いだろ」
「はい、お話を聞きますと」
まどかは仁藤の言葉に頷いて応えた。
「そうですね」
「そうしたことも頭に入れてな」
「戦いますね」
「そうしような、力を抜いてな」
「緊張し過ぎないで」
「そしていこうな」
「そこでそう言うのが仁藤さんでござるな」
ユキカゼはその彼に応えた。
「緊張し過ぎないで」
「ああ、適度に楽にしてな」
そのうえでというのだ。
「ここを見て回って訓練もしてな」
「そうしてでござるな」
「戦おうな」
「そうするでござるな」
「ファントム達が出て来るだろうが」
仁藤はその予測も口にした。
「またな」
「一緒にでござるな」
「戦っていこうな」
「そうですね、ここも広いですし」
茂夫も見回して言った。
「まずはですね」
「ゆっくりとな」
「見て回ってですね」
「戦場を頭に入れるんだ」
「わかりました」
「そういうことでな、しかし茂夫君は素直だな」
仁藤は彼の返事を受けて笑って話した。
「いつもな」
「そうですか?」
「ああ、善悪もわかってるしな」
「それで素直ですか」
「いいことだよ、そのままいけばいいさ」
人間としてというのだ。
「そうしたらいい人生を歩めるからな」
「そうですか、じゃあこれからも」
「そのままいけよ」
「そうします」
茂夫は微笑んで応えた、そうしてだった。
実際に戦場になる場所を観て回った、すると共にいる輝気が空も見回してそのうえでこんなことを言った。
「空気が乾いてるね」
「うん、かなりね」
「この辺りは乾燥帯だからね」
「アラビアの辺りはそうだっていうけれど」
「実際にそうだね」
「アンカラでもそうだったけれ
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