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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第134話:熟成する仕込み
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動きを見ていたガルドがふとそんな事を漏らす。それは本来、あり得ざる、あり得てはいけない可能性。
即ちスパイによる情報漏洩であった。
「……いい加減そろそろ、疑っても良い時でしょうね」
「え?」
酷く冷たいアルドの声が発令所内に響く。その声にエルフナインが一瞬キョトンとするが、彼女がフードの下から鋭い視線を向けている事に気付くとエルフナインの顔から血の気が引いた。
「ち、違います!? 僕は何も、僕じゃありません!?」
《いいや、お前だよエルフナイン》
「ッ!?!?」
自分が疑われていることに気付いたエルフナインが必死に身の潔白を口にするが、それを否定する声がエルフナインから響いた。
それも事もあろうにキャロルの声で、だ。まるでエルフナイン自身がスピーカーとなったかのように、彼女を中心にキャロルの声が響き渡る。
突如響いたキャロルの声にエルフナインが慄いていると、彼女の体からまるで幽体離脱するかのようにキャロルの姿が発令所内に降り立った。
「何だこれは!? アルド!?」
「錬金術を用いた投影ですね。エルフナインさんの体を介して、キャロルがこちらにコンタクトを取っているようです」
「キャロル!?」
この場に居ない颯人を除いて、全員の視線が半透明で立つキャロルの姿に向けられている。自分に集まる視線が心地良いのか、キャロルは愉悦を感じさせる笑みを浮かべていた。
「そんな……僕が、毒――!?」
《とは言え……エルフナイン自身、自分が仕込まれた毒とは知る由もない。俺がこやつの目を、耳を、感覚器官の全てを一方的にジャックしてきたのだからな》
つまりは最初にエルフナインを見た時に、ウィズが取ろうとした行動はある意味で正しかった訳だ。例え本人に微塵も自覚が無くても、キャロルの方から一方的にアクセスして気付かれずに情報を抜き出せるのだから、確実に情報漏洩などを絶つ為には問答無用でエルフナインを排除する他ない。
正直、キャロルにとって最初の賭けはあそこだった。あの時点で疑いを持たれてエルフナインを排除されてしまったら、計画に大幅な修正を加えなければならなかった。だがそれも杞憂に終わった。全ては装者達と弦十郎ら、S.O.N.G.の心にある甘さが招いた事。
当然、今漸くその事を知らされたエルフナインは大きなショックを受けている。
「僕の感覚器官が、勝手に――!?」
《同じ素体から作られたホムンクルス個体だからこそ出来る事だ》
これで今まで漠然と感じてきた疑問、キャロルがS.O.N.G.の動きを把握しているかのような行動をとってきた事への絡繰りが明らかとなった。エルフナインは図らずもS.O.N.G.の情報をキャロルへと流していたのだ。
「お願いします!? 僕を拘束
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