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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第134話:熟成する仕込み
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切れず感情に任せて画面下の壁を脚で蹴りつけた。
「正論で超常と渡り合えるか!?」
クリスの言いたい事も分からなくはない。彼女達が相手にしているのは、常識が通用しない相手。その相手に正論と常識で挑んでも、振り払われ返り討ちに遭う。クリスはそう言いたいのだろう。
だが弦十郎が厳しい言葉を声高に叫ぶのは、何よりもクリス達自身の身の安全を考えての事。透はそれを察し、冷静さを失っているクリスを宥めようと画面と彼女の間に割って入った。
「んだよ、透!? 今話してんだ邪魔すんな!?」
頭に血が上っているからか、透の気持ちも考えずクリスは尚も弦十郎に食って掛かろうとする。切歌と調がそれを心配そうに見ていると、透がクリスを宥めながら目線で2人を通信機の前に誘導した。ここは自分が抑えておくから、今の内に情報を整理してほしいという事だろう。
透の言いたい事を何となく察した調がクリスに代わって画面の前に立つと、画面には弦十郎の代わりに施設のマップと緊急時に施設をブロック毎に閉鎖するスイッチの場所が表示された。
『念の為、各ブロックの隔壁やパージスイッチの確認をお願い』
「こ、こんなに一遍に覚えられないデスよ!?」
画面には数えるのも億劫になるほど、隔壁とスイッチの場所が表示された。あまりの情報量に切歌は目が回りそうになる。こんなのその道のプロでもなければ、短時間に覚えるのは不可能だ。
「じゃあ切ちゃん、覚えるのは2人で半分こにしよう」
ここで調からの助け舟。1人で全部覚えられないのなら、2人で分けて覚えればいい。それなら何とかなりそうだと切歌が安堵した次の瞬間、通信機越しに朔也の緊張した声が響いた。
『セキュリティシステムに侵入者の痕跡を発見!』
「そう言う報せを待っていた!!」
本部からの情報を元に、キャロルの追跡を開始する4人。しかし、指示に従って追跡しているにも拘らず、彼女らは一向にキャロル達へと追いつく事は出来ないでいた。
「はぁっ! はぁっ! 何処まで行けばいいんデスか!?」
「いい加減、はぁっ、追いついても良いのに!」
「チッ! この道で間違いないんだろうな!?」
思わず通信機に向けて怒鳴るクリスだったが、弦十郎からの返答は現状のルートの肯定であった。
『あぁ。だが向こうも、巧みに追跡を躱して進行している』
それは、奇妙な事であった。弦十郎達はリアルタイムで敵味方の位置をマップで確認できているのに、キャロル達はその追跡を掻い潜る様に逃げているのだ。その様子はまるで彼女らもマップを見て4人の位置を把握しているかのようだ。
「妙だな? 切歌達の居場所が分かっているみたいに見えるが、そんな事あり得るのか?」
傍からマップ上の両者の
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