第七十二話 キャンバスライフその五
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「心当たりないけれど」
「だから。周りよく見たら?」
「そうしたらいるでしょ」
「それも身近に」
「彼の方から寄ってきてるでしょ」
「誰?」
思わず首を傾げさせてしまいました、今いる大学にも住ませてもらっている詰所にも他の場所にも心当たりはないです。
「私に自分から?」
「そうそう」
「その子なりに積極的にアタックしてきてるじゃない」
「だからちっちも応えなさい」
「そうしたら?」
「考えたけれど」
誰なのかです。
「やっぱりね」
「いないの?」
「そう言うの?」
「そうした人いないって」
「誰もって言うのね」
「実際にいないから」
正直何を言ってるのと思っています、そんな人本当にいないからです。
「というかそんな人いたらこんなこと言わないわよ」
「いつもそう言うからね」
「そこがちっちの困ったところよ」
「全く、これじゃあね」
「相手の子も大変ね」
「いい子なのにね」
「?誰かわかってるの?」
何かそうも思えてきて尋ねました。
「皆そうなの?」
「わかってるわよ、そんなの」
「わかってない筈ないでしょ」
「もう見てわかるわよ」
「というかまだ手もつないでないでしょ」
「そんな人いないし」
手をつなぐ様な人もです。
「そもそもね」
「そう言っているでしょ」
「もうしっかりとね」
「せめて手位つないであげたら?」
「キスまでとは言わないけれど」
「キスってそんなことするのは一人だけよ」
心からこう思っています。
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