第七十四話 東京を巡ることその十
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「これが」
「そうなんですね」
「まことに若し粗末に扱えば」
「祟られますか」
「ある新聞社の様なことをすれば」
それこそというのだ。
「何があってもおかしくありません」
「ひょっとしてインターネットで評判の悪い夏の甲子園を主催している」
「あの新聞社です、最近これまでの悪事が知れ渡り発行部数は落ち誰も信頼しなくなっていますが」
「あれは祟りですか」
「いえ、あれでは済みません」
「もっとですか」
「酷い目に遭います」
そうなるというのだ。
「まことに」
「今でもまだですか」
「祟りにはなりません」
そこまで及ばないというのだ。
「靖国の英霊の方々はです」
「そこまで恐ろしいものですか」
「魔王は国を脅かしますが」
太平記にある様にというのだ。
「英霊は護ってくれていますね」
「それが逆になるんですね」
「タロットカードと同じです」
速水は自分が仕事で使っているそちらの話もした。
「言うならば」
「タロットですか」
「塔以外のカードは正と逆で裏返しの意味になりますね」
「いいものが悪いものに」
「それと同じでして」
「英霊も転じてですか」
「怨霊になります、しかも何百万もの英霊がです」
靖国に祀られている彼等がというのだ。
「怨霊になれば」
「怖いですね」
「おわかりですね、あの方々は今も日本を護ってくれていますが」
「日本を貶めて自分達もそうする人達には」
「その日本を脅かすです」
自分達が護る祖国をというのだ。
「倒すべき存在となり」
「何百万もの怨霊になりますか」
「しかも一柱一柱が強力な念を持っています」
ただの霊達ではないというのだ、神として祀られている。
「特攻隊の様に決死の覚悟で散華した」
「そうした人達が英霊になっていますね」
「硫黄島でも同じです」
第二次世界大戦屈指の激戦地であった、日本軍は玉砕したがアメリカ軍しかも精強で知られる海兵隊の損害は玉砕した英霊達より多かったのだ。しかも制海権と制空権を完全に奪ったうえでのことだった。
「沖縄でもアッツ島でも他の戦いでも」
「日本軍の人達は決死で戦ってきて」
「そのうえで英霊になられています」
「物凄い力がありますね」
「そしてです」
速水はさらに話した。
「二次大戦以外の戦争でもです」
「戦死した人があちらにおられますね」
「戊辰戦争か」
「西南戦争や日清、日露戦争でも」
「はい」
まさにというのだ。
「激しい戦争の中で、です」
「散華した方々で」
「その念は非常に強かったので」
だからだというのだ。
「その方々が祟ると」
「恐ろしいことになるんですね」
「左様です」
まさにというのだ。
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