第七十四話 東京を巡ることその九
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「あの方です」
「白峰の」
「その通りです」
「あの方ですか」
「あまりにも力が強いのでお名前は出しませんが」
「そこまでの方ですか」
「怨霊はあまりにも力が強いと」
速水は咲に真顔で話した。
「語ることもです」
「気をつけるべきですか」
「そうです、ですから」
その為にというのだ。
「私もです」
「今みたいにですね」
「申し上げています」
「そうなんですね」
「怨霊も強くなりますと魔王になる」
「お話も憚れる位になりますね」
「そこまで恐ろしいのです、ですから」
それ故にというのだ。
「私も人間こそがです」
「一番怖いと言われるんですね」
「そして東京はその人間がなる鬼をです」
「非常に警戒しているんですね」
「京都と同じく」
「それで鬼を防いでしかも東京を護る為に」
「様々な災厄から」
怨霊だけでなくというのです。
「京都は災害は祟りと考えていましたが」
「それでもですか」
「都を守護するという意味では」
その観点から見ればというのだ。
「やはり結界はです」
「街を護る為でもあるんですね」
「災厄、災害から」
「それであそこまで、ですね」
「京都も東京も幾重にも結界を張っています」
その様にしているというのだ。
「怨霊という意味での鬼そして災害からです」
「護る為ですね」
「この街を」
「その為ですか」
「戦争は政治で避けられます」
多くの国で第一の災厄と考えられているこれはというのだ。
「ですが災害そして怨霊はです」
「そうはいかないですね」
「そうです」
まさにというのだ。
「災害は何時来るかわからず」
「怨霊もですね」
「戦争は巻き起こす災厄の一つに過ぎないのです」
魔王になればというのだ、日本では人が人となくなれば時としてそこまで恐ろしい力を持つと考えているのだ。
「それだけ恐ろしい存在ならば」
「結界も必要ですね」
「そして鎮めることも」
その怨霊をというのだ。
「行っていますし」
「東京でもですか」
「そうです、靖国神社も」
このあまりにも有名な社もというのだ。
「同じです、英霊の方々が国を護ってくれますが」
「そう言われていますね」
「護国の鬼と言われています」
「鬼、やっぱり霊ですね」
「若し粗末にしたならば」
靖国に祀られている英霊達をというのだ。
「その時はです」
「怨霊になるんですね」
「左様です、何百万もの方々が」
「そう考えると怖いですね」
「はい、非常に恐ろしいのです」
靖国神社の英霊達もというのだ。
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