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オズのボームさん
第九幕その五

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「地下の全部が水中みたいに見えるなんて」
「このこともね」
「オズの国の魔法だね」
「そうだね」
「普通はこうした場合壁に面した部分だけしか見えないよ」 
 キャプテン=ビルは言いました。
「蟻を水槽とかの中で飼って巣を作らせてもね」
「そうね、水槽の透明なプラスチックの傍の巣の部分は見えても」
「奥までは見えないわ」
 ベッツイとトロットはキャプテンに応えました。
「そこまではね」
「流石に無理よ」
「けれどオズの国の透視の魔法を使ってなの」
 オズマはベッツイとトロットにもお話します。
「それでなのよ」
「こうしてなのね」
「地中の全部が見えるのね」
「そうなの。こうしたらでしょ」
 オズマは二人ににこりと笑ってお話しました。
「まるで図書館が土の中に浮かんでいるみたいでしょ」
「ええ、何かね」
「そんな感じね」 
 二人もその通りだと答えます。
「これはね」
「そんな風に思えるわ」
「オズの国に来て色々なものを見てますけれど」
 恵梨香も土の中を見て言います、見ればモグラや虫達が色々動き回っています。土の中も賑やかです。
「これも凄いですね」
「土の中をお水の中みたいに見られるなんて」
 カルロスは嘘みたいだというお顔です。
「信じられないです」
「図書館の上下の階まで見られますし」
 ナターシャはこのことに驚いています。
「凄いですね」
「何かこの階が土の中に浮かんでいるみたいです」
 ジョージも言います。
「とても不思議な光景です」
「あの、ここにいたら」
 神宝も言いました。
「図書館の中にいる気がしません」
「そうでしょ、ただここにいるだけでなくてね」 
 オズマは五人にもお話します。
「こうした楽しみ方も出来るのよ」
「土の中も見られるんですね」
「それも立体的に」
「お水の中にいるみたいに」
「そう出来るんですね」
「この図書館では」
「そうなのよ」
 にこりとしてのお話でした。
「この通りね」
「これは全ての階でよね」 
 ドロシーはオズマに尋ねました。
「出来ることよね」
「そうよ、地上の階ではね」
「ボタンを押したら」
「お空がね」
「全部見えるのね」
「そして地中もね」
 お空と同時にというのです。
「見られるの」
「両方がなのね」
「そうよ、凄いでしょ」
「本を楽しめるだけでないのね」
「視聴覚室で観るものを楽しめてね」
 そしてというのです。
「景色もよ」
「楽しめるのね」
「三百六十度、球形にね」
「そのことも素晴らしいわね」
「まるで宙に浮かんでいる様な」
 その感覚でというのです。
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