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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
無印編
第五話 出会いは騒動に満ちている
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供の身長になり、体重が変わる。

 つまりは腕や足の長さも当然変わり、間合いも、一歩の踏み込みの距離も変わる。
 そして体重の変化は

(踏ん張りが利かない!)

 軽くなった体重は子供には大きく厚みのある剣鉈を振るえば、その重さに体勢が少しでも不安定だと身体が持っていかれる。
 さらに刃と刃がぶつかり合った衝撃で身体が浮かびかける。

(もっとコンパクトに無駄なく刃を振るえ。体勢を常に意識し、元の世界では振るえていた事など考えるな。
 攻撃は受け止めるな、間合いを修正し、受け流し、かわせ!)

 恭也との戦いの中で子供の肉体での的確な戦い方を組み立て、修正しているのだ。
 それゆえに恭也は刃を交え始めた時から急速に冴えていく士郎の動きに困惑し、攻めきれない。

 そして士郎と恭也の戦いを見ていた美由希や忍達も

(すごい。恭ちゃんとここまで打ちあえるなんて)
(この子、本当に何者?)

 恭也と正面から打ちあう士郎の得体の知れない技能の高さに驚いていた。

 打ち合う事、数十合。

 徐々に押され始める士郎。

(隙が出来てきた。
 集中力が切れて来たか?)

 恭也がそう感じ始めた時には互角だった戦いは攻める恭也と守る士郎という一方的なモノになっていた。
 そうその場にいる士郎を除く全員がそう認識していた。

 左手の小太刀の横薙ぎを受け流し出来た右脇腹の隙。

(貰った!)

 そこに右手の小太刀で突きを放つ。
 その時、士郎の表情は笑っていた。

(誘い!?)

 気がついた時には既に遅く、突きは受け流され、士郎の返しの刃が恭也の胴を薙ぐ。
 それを防ぎ、さらに攻め、加速する剣速。
 ぶつかり合い出来る隙。
 だが隙を攻めればまた当たり前のように防がれ、返される刃。

(なんて戦い方を)

 相手の察せられないように打ち合いの中で自然と隙を作り、その隙を狙わせることで攻撃を予測する。
 防ぎ損なえば死に直結する行為。
 だがそれをこれだけ自然とやれるという事は、何度もやり慣れているという事の他ならない。

 一旦、間合いを開ける恭也。

「……とんでもない戦い方をするんだな」
「生憎と非才の身でな。
 対価を上げねば勝てないのだよ」

 平然と返答する士郎に眉を顰めながらも

(息もあがってない。
 それに子供の手にとっては太い柄を握ってこれだけ戦える。
 なにか秘密はあるな。
 だが)

「そろそろ手合わせは十分じゃないか?
 貴方とは無駄に血を流す事はないと思うが」
「そうだな。
 それは同感だ
 だが」

 剣を握り直し、構える。

「この手合わせの決着はつけたい。
 付き合ってもらえるかな?」

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