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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
無印編
第五話 出会いは騒動に満ちている
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うとした瞬間にということはないだろうが、警戒しつつ扉を開ける。

 かなりの広さの玄関ホールには俺を待ち構える様に黒い服を着た男性が一人。
 その男性の少し後ろに女性が一人。
 顔つきが男性と似ているところがあるから恐らく身内。
 そして、ホールの中央に長い髪の女性が立っており、その左右にメイドが控えている。

「よく来たな」
「ああ、ここまで警戒された招待は初めてだよ」
「さて招待しておいて申し訳ないが―――」

 男の姿勢が低くなる。

「―――覚悟してもらおう」

 抜刀される小太刀。
 それに合わせ外套から抜く様に投影する干将・莫耶と同じぐらいの刃渡りの無骨な剣鉈。

 男の一撃を受け止めるが軽い。
 この手応え、俺が動かなければ寸止めするつもりだったか。
 もっともその事を信用できる程、俺も相手の事を知っているわけではない。

「ずいぶんな挨拶だな」
「自覚はしているが、まったく得体の知れない相手ならば、自分達に害をなすモノなのか。
 相手の実力を測るためにも剣を交える必要もある」
「乱暴な考えではあるが、一理はあるな」
「それに」

 男は間合いを開け、もう一本の小太刀を抜く。

 小太刀二刀流か。

「剣を交えれば見えてくるものもある」

 生粋の剣士だな。

 この人なら付き合うのも悪くない。
 それにこの子供の身体でどこまで動けるのか試したくもある。 
 
 外套から抜く様に右手に握る剣鉈と同じものを左手に握り、静かにいつものように構える。

「御神流、高町恭也」
「衛宮士郎」

 これは死合ではなく、試合である。
 互いに剣を交え信頼に値するのか、荒っぽい剣の対話が始まった。




side out

 洋館の中で刃と刃がぶつかり金属音を響かせ、火花を散らし、刃が太陽光を反射し輝く。

 そんな中で衛宮士郎は二十歳ぐらいの男の予想以上の技能の高さとその秘められた才能に舌を巻いていた。

 対する高町恭也も自身の下の妹と同い年ぐらいの子供が自分と打ちあえる実力の高さに驚いていた。
 だがなにより驚くと同時に困惑していたのは

(打ちあい始めた時は身体が流れたりと乱れていたが凄まじい速度で技が冴えていく。
 同じ人物とは思えない)

 士郎の技能がこの戦いの中で急激に成長している事である。

 もっともこの原因は単純に士郎の肉体の変化である。

 柄こそ投影の際に子供の手にも握りやすいように少し細くしているが、それでも子供の手には大きい。
 それでも死徒である力で小さな手でも握り、振るう事は出来る。

 そんな事より士郎が困惑したのは

(体の変化が大きすぎる)

 190cm近い身長がいきなり子
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