第九幕その二
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「とてもです」
「よかったんだ」
「はい」
そうだったというのです。
「本当に」
「そうだったんだね」
「東と西にそれぞれ悪い魔女はいましたが」
そして沢山の人に迷惑をかけていました。
「魔女達の悪いことにも向かわれていましたね」
「放っておけなかったからね」
絶対にとです、魔法使いは答えました。
「だから出来る限りね」
「対処されていましたね」
「そしてね」
そのうえでというのです。
「ドロシー嬢にはご苦労だったけれど」
「西の魔女の退治のことね」
ドロシーが言ってきました、ジュリアと一緒にかかしそれに樵と一緒に本を奇麗にして本棚に入れています。臆病ライオンも本を運んでいます。
「あの時のことね」
「うん、何とかその悪事の被害を最低限に抑えていたけれど」
「元を絶つ為によね」
「何とかしてもらおうと思っていたけれど」
「そこに私達が来て」
「お願いしたんだ、私の魔法はあの頃は手品でね」
その実はです。
「本物の魔法じゃなかったからね」
「直接どうにかは出来なかったわね」
「政治として対策は出来ても」
それでもというのです。
「私自身はどうにも出来なかったからね」
「私達に行かせたのね」
「あの時は悪かったよ」
「いえ、あの時もいい思い出よ」
ドロシーは魔法使いににこりと笑って答えました。
「だからね」
「それでなんだ」
「悪いと思っていないわ」
「そうだといいけれどね」
「本当にね」
「私が命じた討伐はなんだ」
「よかったわ」
こう魔法使いに言うのでした。
「とてもね」
「そうなんだね」
「確かに僕は動けなくなっていたよ」
「僕もね」
かかしと樵はドロシーとはじめて出会った時のことをお話しました。
「それでドロシーに助けてもらったけれど」
「オズの国はその頃からよかったよ」
「暮らしに不満を感じたことはなかったよ」
「全くね」
「そんなことは聞かなかったね」
臆病ライオンも言います。
「本当にね」
「そうだよね」
「皆満足していたよ」
かかしと樵は臆病ライオンに応えました。
「不平不満なんてね」
「憂いや悩みもね」
「全くなくて」
「とてもいい政治だったよ」
「善政と言ってよかったよ」
「全く以てね」
「そうだよね」
臆病ライオンもその通りと言います。
「だから皆魔法使いさんを大好きなんだよ」
「今でもね」
「それでロイヤルブックにも書かれているんだ」
王室の歴史書にもというのです。
「王室の歴史の中にね」
「魔法使いさんの章もね」
「その統治時代のことを」
「しっかりと書かれているんだよ」
かかしと樵は魔法使いにお話しました。
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