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オズのボームさん
第九幕その一

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                第九幕  ロイヤルブックと土の中
 オズの国の歴史書とそれを収めている宮殿の図書館の地下三階のお掃除や整頓を進めています、ですが。
 その中で、です。魔法使いは一冊の本を本棚に入れてから言いました。
「これは」
「どうしたのかな」
「いや、ロイヤルブックだよ」
 一緒に本棚に本を入れているモジャボロに答えました。
「この本は」
「ああ、その本なんだ」
「うん、王室の歴史を書いたね」
「その歴史書もだね」
「収めているよ」
「ううん、いい本だよね」
 モジャボロは魔法使いに微笑んで応えました。
「ロイヤルブックも」
「そうだよね」
「王室の歴史も長いからね」
「オズの歴史と共にあるからね」
「その間色々あったね」
「一時私がオズの国の主だった時もあって」
「その時の貴方のことも書かれているね」
 他ならぬ魔法使いにも言いました。
「そうだね」
「うん、私もロイヤルブックにあってね」
 そうしてというのです。
「偉大な魔法使いの時代とね」
「書かれているんだね」
「そのタイトルでね」
 まさにそれでというのです。
「それで私の統治時代のことが書かれているんだ」
「それは悪いものではないね」
「随分よく書かれているよ、悪いことをしたなんてね」
 そうしたことはというのです。
「全くだよ」
「書かれていないんだね」
「名君だったとね」
 その様にというのです。
「書かれていて恥ずかしい位だよ」
「そこまでなんだ」
「私はそこまでいいことをしたかな」
 首を傾げさせて言うのでした。
「果たして」
「魔法使いさんがそう思っていても」
 本棚をなおすその先の空の本棚を拭きつつで、モジャボロの弟さんが言ってきました。丁度二人の傍にいます。
「他の人達は違っていまして」
「それでなんだ」
「客観的に見て」
 そうしてというのです。
「魔法使いさんは立派にです」
「オズの国を治めていたんだね」
「はい」
 そうだったというのです。
「だからオズの国の皆もです」
「私を迎えてくれたんだ」
「はい、そして」 
 そのうえでというのです。
「今でも慕ってるんですよ」
「そうなんだね」
「はい、何も悪いことはなかったです」
 本を奇麗にしているジュリアが言ってきました。
「私はずっとオズの国にいたので言えます」
「そうなんだ」
「それも宮殿にいまして」
 それでというのです。
「魔法使いさんの傍にいました」
「しかし私はね」
「誰にもお姿を見せなかったですね」
「そうだったけれどね」
「ですが政治はです」
 それはというのです。
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