第二章
[8]前話
「それは」
「敵に地雷原でも何でも突っ込ませて」
「いや、地雷はそうしてじゃなくて」
「普通はそうするのを」
それがというのだ。
「ソ連軍は人は幾らでもいるって考えて」
「中学生でも兵隊にするから」
「だから何でも突っ込ませて」
そうしてというのだ。
「逃げようものなら後ろから撃ってたんだ」
「撃ち殺されたくなかったらですか」
「突っ込めってね」
「最悪ですね」
「指揮官はちょっと負けたら処刑だし」
「悪の組織みたいですね」
「そうだよ、目付役の党の政治将校も」
その彼等もというのだ。
「ちょっと負けるか結果が出ないと」
「処刑ですか」
「そうだよ、それで無理矢理戦わせて」
そうしてというのだ。
「幾ら死んでもいい」
「代わりは幾らでもいるですね」
「そうした考えで戦争したからだよ」
「勝てたんですか」
「二千万は死んでね」
「二千万・・・・・・」
西田はその数に呆然となった。
「東京都の人口の倍位ですか」
「そうして勝ったんだよ、ちなみにものもね」
物資もというのだ。
「碌になくて常に戦う」
「二十四時間ですか」
「そんな感じだよ」
「ブラック過ぎますね」
「自衛隊とどっちがいいかな」
「自衛隊です」
西田は真っ青な顔になって即答で返した。
「勝っても」
「それで当時のソ連皆軍隊に入れて戦わせて」
損害を無視してというのだ。
「沢山死んだからね」
「二千万ですね」
「二十代の男の人の九十五パーセントが死んだんだよ」
「勝っても人いないですね」
「だからそのダメージがね」
これがというのだ。
「後のソ連崩壊の原因になったともね」
「言われてるんですか」
「そうだよ、それならだね」
「自衛隊の方が遥かにいいですね」
「あの軍服の素材もかなり悪かったみたいだしね」
服のそれもというのだ。
「デザインは兎も角」
「わかりました、やっぱり自衛隊ですね」
西田は店長にこう返した、そして以後ソ連軍をいいということはなくなった。とんでもない軍隊だと言うだけで自衛隊を褒め続けたのだった。
実はブラック軍隊 完
2022・11・19
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