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オウムに教える言葉
第一章

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                オウムに教える言葉
 大原家にオウムが家族としてやって来た、名前はジョナサンとなったが。
 家の息子で小学四年生の正広い額と短い黒髪に大きな目と口を持つ彼は母の理衣やはり大きな額で茶色のロングヘアと大きな目と口を持ちすらりとした一六〇程の背でズボンがよく似合う彼女に言われた。
「ジョナサンに言葉教えたらね」
「その言葉喋るんだ」
「そうよ」 
 息子に笑顔で話した。
「だから教えてあげなさいね」
「うん、そうするね」
 笑顔でだ、正は母の言葉に頷いてだった。
 色々と言葉を教え母もそうしたが。
 ある日だ、ジョナサンはこんなことを言った。
「ブイやねん阪神」
「何この言葉」
「古い言葉ね」
 母はその言葉を聞いてまずはこう言った。
「これあんたが生まれる何年も前の言葉よ」
「そうなんだ」
「阪神が優勝しそうな年があって」
 二〇〇八年のことだ。
「その時最初凄く強くてよ」
「こんなこと言ったんだ」
「優勝するって思って出た本があって」
 それでというのだ。
「その拍子に書かれてたのよ」
「そうだったんだ」
「それがね」
 まさにと言うのだった。
「この言葉だけれど」
「誰かジョナサンに教えたのかな」
「それはね」
 母が言おうとするとだった。
 ジョナサンはさらにだ、こんなことを言った。
「三十三対四」
「何でや阪神関係ないやろ」
「あかん阪神優勝してまう」 
 ジョナサンは次々に言った、ここで母はあらためて言った。
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