西ゼムリア通商会議〜インターバル・後篇・後半〜
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〜エルベ離宮・客室〜
「な――――――」
「あの”リベル=アーク”と同規模の浮遊要塞だと……!?」
「それも”黒の史書”によれば、その”幻想機動要塞”とやらを顕現させる前にサンドロット卿が命を失う事が予言されていたとは………」
「ま、まさか”地精”が1200年前にそのような兵器を築き上げていたなんて……!」
「そんなとんでもない存在が今まで判明しなかったのも、本拠地の時のように異空間に隠し続けていたからでしょうね。」
ミルディーヌ公女が口にした驚愕の事実にその場にいる全員が再び血相を変えている中オリヴァルト皇子は絶句し、ミュラーは厳しい表情で声を上げ、ラウラは真剣な表情で呟き、エマは信じられない表情で、セリーヌは目を細めてそれぞれ呟いた。
「ちなみに本来はその”幻想機動要塞”への侵入を阻む絶対不可侵の結界を展開する為にかのノーザンブリアの災厄となった”塩の杭”と名付けられた巨大な”杭”を数ヶ所に設置する予定であったが、本拠地襲撃後”長”の黒のアルベリヒが長期間の意識不明の重体の為実質作業ができるのは”銅のゲオルグ”のみだった事もそうだがシュバルツァーやミルディーヌ様達”灰獅子隊”による”黒の工房”の本拠地以外の各拠点への襲撃並びに爆破によって”地精”は本拠地を含めた全ての拠点を失った事で、”幻想機動要塞”への侵入を阻む絶対不可侵の結界を展開させ続ける為の”塩の杭”の顕現は不可能になっている可能性が極めて高いとの分析だ。」
「よりにもよってあの”塩の杭”と同じ名前を付けるなんて、相変わらず悪趣味な連中ね、”地精”は……!」
「……”裏の決戦の地”がその”幻想機動要塞”とやらなら団長やレオも間違いなくそこで待ち構えているだろうね。」
「当然”地精”であるジョルジュもそうだが、黒のアルベリヒもオズボーン宰相までの道を阻むつもりだろうね。」
「それにひょっとしたらクレア達”鉄道憲兵隊”もオジサンを守る為にそこで迎撃態勢を取っているかもしれないね〜。」
オーレリア将軍の説明を聞いたサラは怒りの表情で、フィーとアンゼリカ、ミリアムは真剣な表情でそれぞれ呟いた。
「確かにとんでもねぇ話のようだが………幾ら連中が追い詰められた状態だからと言って”黒の史書”通りの展開になっていないのに、その浮遊要塞とやらを本当に出してくるのかよ?”黒の工房”の連中は予定外の出来事や存在を嫌っているんじゃねぇのかよ?」
「そ、そういえば………リィン達の行動もそうだけど、連合の事も想定外と言って、忌々しそうな様子を見せていたよね……?」
「ああ。そもそも”地精”は遥か昔から”巨イナル黄昏”や”相克”に備えて計画や暗躍をし続けたのに、その全てが想定外の出来事
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