西ゼムリア通商会議〜インターバル・後篇・後半〜
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とは領土割譲の緩和、第9条と第10条の件だろうか?」
「はい。そこに加えて”リィン総督閣下との婚約も含まれますわ。”」
「え…………」
「あん?元々テメェはシュバルツァーが侍らす女の一人になる為にシュバルツァー達に近づいたんじゃねぇのかよ?」
ガイウスの指摘に答えたミルディーヌ公女の意外な答えにアリサが呆けている中アッシュは眉を顰めて訊ねた。
「ええ。ですがあんなにも多くの様々な魅力を持つ女性達を既に侍らせているリィン総督閣下が、私のような質の悪い小娘の想いに対して”本気で考え、応えて頂けた事は完全に想定外でしたわ。”リィン総督閣下と結ばれる事は叶わなくても、カイエン公爵家当主として良好な関係を築く事ができれば十分な結果だと考えていたのですが………」
「ミュゼ君……」
「という事はミュゼは”リィンがミュゼの想いに応えない可能性が高いと最初から理解していて”、リィンに言い寄っていたのか……」
「……どうしてリィンはミュゼには様々な思惑があって自分に言い寄っている事がわかっていながら、ミュゼの想いに応えたんだろう?」
「それこそリィン自身かベルフェゴールくらいしかわからないわよ……」
寂しげな笑みを浮かべて答えたミルディーヌ公女の本音を知ったアンゼリカが複雑そうな表情を浮かべている中、ラウラは驚きの表情で呟き、首を傾げて呟いたフィーの疑問にサラは疲れた表情で答えた。
「ご要望通り、これで殿下達の疑問には全て答えました。それで交渉の件、いかがでしょうか?」
「……3つ条件がある。一つ目はオルディスとラクウェルで”試験導入”する予定の”娼館制度”を帝国各地でも採用する事を皇家と政府が決めた際、”娼館制度”のノウハウもそうだが採用をしていて実際に起こった問題や気づいた更なる利点を包み隠さず、”対価無しで皇家と政府に開示する事”だ。」
「フフ、なるほど。オルディスとラクウェルに採用される”娼館制度”が成功した際、その成功によって帝国各地にも採用する事を決めた皇家と政府がカイエン公爵家にノウハウ等の開示を要請した際、私が対価を求めてくる事を想定されているようですわね。―――――二つ目の条件とはどういった条件でしょうか?」
オリヴァルト皇子が出した条件の一つを聞いてオリヴァルト皇子の考えを悟ったミルディーヌ公女は静かな笑みを浮かべて呟いた後続きを促した。
「二つ目の条件は皇家・政府がメンフィル帝国から飛行騎獣を購入する際の仲介もそうだが、飼育・騎乗方法を教えてもらう仲介をカイエン公爵家が対価無しで行う事だ。」
「まさか帝国正規軍に新たに”飛行騎士”によって構成された部隊を結成するつもりか?さすがにゼムリア大陸にとってはメンフィル帝国軍専売特許と言ってもおかし
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