第五百二十二話 エル=アラメインの勝利その十四
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「あたし達は有馬の山の中にいるからね」
「温泉街だったな」
「風呂には困らないんだけれどね」
スパゲティを食べつつ話した。
「それでもね」
「海に行きたくなるな」
「どうしてもね、折角結構近くにあるしね」
有馬から見てというのだ。
「神戸は」
「それと同じだ、寒く暗いドイツにいるとな」
「イタリアが恋しくなるんだね」
「あの暖かく明るくしかも文化が豊かで食べものも美味しい」
ヒルデガルドは言われていないことまで言った。
「最高だ」
「どれだけのドイツ人がイタリアを愛したかわからないわ」
アガーテはこう言った。
「昔からね」
「そういえばドイツさんもだよね」
「そうだね」
茂夫と律は今は戦場で戦っている彼のことを思い出して話した。
「何だかんだでイタリアさん助けるね」
「いつもね」
「プロイセンさんもだよね」
「プロイセンさんなんか怒らないで喜んでだからね」
「何処までイタリアの兄さんが好きなんだ?」
こう言ったのはディルクだった。
「ドイツの旦那は」
「かなりですよね」
「そうだな」
マトンを食べつつフローラに応えた。
「プロイセンの旦那にしてもな」
「いつも助けておられるので」
「本当にそう思うな」
「そうですね」
「大事にすべきだな」
義景はしみじみとして言った。
「イタリア殿達は」
「まことに」
信繁は義景の言葉に頷いた。
「イタリアさん達にとっての宝です」
「まさにな」
「ですから」
それだけにというのだ。
「これからも」
「ドイツ達はなんだ」
「大事にしてあげて下さい」
「そうだな、あんないい友達いないな」
信玄も言った。
「あたしには謙信ちゃんがいてな」
「姉さん達はちょっと違うわね」
「強敵と書いてともと呼ぶだよな」
「そんな間柄だから」
「そうね」
その謙信も言ってきた。
「私達はイタリアさん達とは違うわ」
「そう言われますね」
「強敵であってね」
「ともですね」
「そうした間柄だわ」
「ああ、ただ謙信ちゃん日に弱いからな」
信玄はここでアルビノである謙信を気遣った、そうしてそのうえで彼女に対して言うのだった、それも強く。
「無理するなよ」
「日焼けはカットしてるわ」
見れば真っ白な服で身体を包んでいる。
「それで日焼け止めクリームもね」
「塗ってるんだな」
「直江達も言うから」
信玄だけでなくだ。
「執事の兼続も妹の景虎も」
「それは何よりだな」
「皆私に言ってくれるから」
それ故にというのだ。
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