第五百二十二話 エル=アラメインの勝利その十三
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「逃げるんだ」
「戦わないのね」
「だって怖いから」
それでというのだ。
「スサノオとはずっと戦ってるけれどね」
「戦うなら十一人までだろ」
ロマーノはイタリアの横で力説した。
「サッカーまでならいいぞ」
「それは結構だが違うとだけ言っておく」
義景はやや眉を曇らせてロマーノに言った。
「貴方達は」
「どう違うんだよ」
「スポーツと戦いはな」
「違うって言うんだな」
「そうだ、貴方達は確かにスポーツは強いが」
サッカーでもというのだ。
「しかし戦いはだ」
「逃げるのは駄目か」
「逃げるべきでない時はな」
「そもそもイタリアさん達お強いですよ」
ねねはロマーノに肉料理を出しつつ言って来た、マトンを香辛料と香草を利かせて焼いたものである。
「それもかなり」
「そうでおじゃるな」
近衛はねねの言葉に頷いた、今は公家顔である。
「逃げていないしでおじゃる」
「怪人相手はいいんだよ」
「人間や国家でないからね」
ロマーノだけでなくイタリアも言ってきた。
「皆もいるしね」
「俺達も怖くないんだよ」
「そうなのですね」
「うん、だから逃げないからね」
「宜しく頼むぞ」
兄弟でねねに話した。
「これからもな」
「最後の最後まで勝とうね」
「イタリアっていいですよね」
こう言ったのは茂夫だった。
「明るくて食べものも美味しくてね」
「あっ、俺のこと気に入ってくれたんだ」
「はい」
イタリアに微笑んで答えた。
「イタリアさんご自身も」
「そう言ってくれると嬉しいよ」
「色々抜けたところもありますが」
何気に悪いことも言う。
「そうしたところもです」
「いいんだ」
「僕はそう思います」
笑顔で述べた。
「本当に」
「一緒にいて楽しいよね」
律は兄と一緒にサラダを食べつつ応えた。
「イタリアさん達って」
「そうだよね」
茂夫ハイタリアンドレッシングのその味も楽しみつつ弟の言葉に頷いた。
「憎めなくてね」
「自然とほっとするよね」
「一緒にいたらね」
「食べものも美味しいし」
「音楽も素敵だしね」
「イタリアは最高よ」
ヒルデガルドが影山兄弟に真顔で言ってきた。
「もうずっと暮らしたい位よ」
「そこまでいい国ですか」
「イタリアはそうなんですね」
「私達の国は寒くてお空も暗いから」
ヒルデガルドは祖国ドイツのことを話した。
「それと比べたら」
「イタリアはいいんだな」
「そうなのよ」
信玄にも答えた。
「貴殿が海を愛することと同じだ」
「ああ、そういうことだね」
信玄も言われて納得した。
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