第八幕その九
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「ドロシーとベッツイとトロットは九匹だけれど」
「オズマは十二匹でしょ」
ドロシーが笑顔で応えました。
「そうでしょ」
「君達三人は九匹でね」
「オズマはオズの国の国家元首だからだよ」
「それで三匹多いんだ」
「私達は中国の皇帝の龍袍にちなんで九匹だけれど」
服にある龍の数はというのです。
「オズマは国家元首だから」
「三匹多くしたんだ」
「ブリキの樵は皇帝で」
ウィンキーの国のというのです。
「オズマはその皇帝の上に立っているから」
「それでオズの国の国家元首だからだね」
「龍の数が多くてね」
それでというのです。
「十二匹なの」
「成程ね」
「十二は大切な数字でもあるからよ」
外ならないオズマも言ってきました、みらびやかな中国の豪奢な服を着たオズマはドロシー達と一緒に並んでいると四人の可愛い女神様がいるみたいです。
「それでこの数にしたの」
「そうだね、十二は外の世界でもオズの国でも大切な数字だね」
教授が応えました。
「ギリシアの神様もオリンポスは十二神でね」
「それで星座もでしょ」
「そうだね」
「それでキリスト教も十二使徒でね」
こちらもというのです。
「中国でも干支がそうでしょ」
「十二だね」
「だからなの」
「オズマ姫も十二の龍を飾っているんだ」
「今着ている龍袍にね」
「そういうことだね」
「そうなの、けれどこうして龍袍を着たことは」
オズマはあらためて言いました。
「滅多にないことだからね」
「嬉しいわよね」
トロットが明るい声で言ってきました。
「尚更」
「そうよね」
「ええ、だからね」
それでというのです。
「今とても嬉しいわ」
「本当にそうね」
「普段は西洋のドレスやマントや冠が礼装だけれど」
ベッツイは自分の龍袍を上から下まで見ながら思いました。
「中国だとこうだっていうことね」
「そうね、神宝のお国だとね」
オズマはベッツイにも応えました。
「こうした服ということね」
「そうよね」
「それで着ていたら」
「東洋の気持ちも味わえて」
「素敵よね」
「流石オズの国ですね」
神宝はしみじみとして思いました。
「龍袍姿のお姫様達が見られるなんて」
「そうだね、こんなことはだね」
「ドラマや漫画だけのことですから」
こうボームさんにも言うのでした。
「尚更です」
「不思議に思えるね」
「はい」
実際にというのです。
「この目で見られるなんて」
「オズの国は不思議なことで一杯だからね」
「こうした不思議もあるんですね」
「そうだよ」
まさにというのです。
「そういうことだよ」
「そうなんですね」
「ええ、それでだけれど」
オズマはにこりとして言ってきました
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