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東方project 秋姉妹 〜人恋し神様〜
東方project 秋姉妹 〜人恋し神様〜
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[1] 最後




ここは幻想郷。人や鬼、妖怪や神が共存する世界。




そんな幻想郷も夏が終わろうとしていた。

これは幻想郷に住まう秋の神々のお話。




私の名前は静葉。幻想郷の四季の中で秋を司る神の双子の姉。
これは私達姉妹の過ごした、ある年の秋のお話。



人里離れた森の中、柔らかく降り注ぐ木漏れ日の下に私達がいた。

「・・・おはよう。お姉ちゃん」

目を擦り、重い瞼をあけた穣子は言った。

「おはよう。穣子。もうそろそろ秋よ」

妹を見つめながら私はそうつぶやいた。
私の膝枕の心地よさもあるのか、穣子は中々起きようとしない。
毎年、穣子の眠る時間が長くなっている事に私は心配していた。
年々短くなってきている「秋」のせいなのか、人々の信仰心の薄さなのか。
原因は多々あるように思うが、毎年穣子は、
「大丈夫だって。お姉ちゃんは心配しすぎだよ!」
と言い、穣子は私に心配をかけないようにしているようだった。

 私もそうだけど、穣子の力は確実に薄れている。

 秋の神々である私達姉妹が力を取り戻さないと「秋」はどんどん短くなっていく。

 また人々の信仰を取り戻す為に何とかしないといけないのだけれど・・・・。

 でも・・・・人は嫌い。

私達姉妹がどんなに美しい紅葉を見せようと、どんなに豊作を与えても、ただの景色、発達している農作業の結果としか思っていない。私達に祈りを捧げる人々も昔よりも随分少なくなって、私たちの存在は薄れゆくばかり・・・。幻想郷にいる神々の中で私達、いえ・・・特に豊作をもたらす穣子は自然の力と、何よりも人による力が大きな関わりを持っている・・・。

 このままでは穣子は居なくなってしまうかもしれない。

 それは、それだけは絶対にあってはならない。

 今は・・・私に出来ることをしましょう・・・。

私はそう心に決め、再び眠ってしまった穣子を紅葉で作った布団の上に寝かせた。
幸せそうに眠っている妹を見つめ、私の口元は緩んだ。

「のんきなものね・・・」

私に出来ることは一つしかない。
沢山の美しい紅葉を、私達の愛して止まないこの景色を人里まで届けることだ。
山々を巡り、私は紅葉を美しく染め上げていった。ここ何年かは私も大きく力を使っていた。
この景色が人里に届き、人々の心に響けば、また妹は元気になるのではないかと。そう思っていた。
しかし、人々に変化は無かった。
毎年、今年こそはと思っていたが、今までと何も変わらない日々が続いている。
人々に対し、私は僅かに怒りすら感じていた。
しかし、決して諦めることは出来なかった。
日が沈みはじめ、紅葉の色も真っ赤に色づき始めていた。
今日はこれくらいかな。そろそろ
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