第五話
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にする。
いつの間にかサイトとキュルケの会話にロングビルさんも入っている。
タバサが何を考えているかはわからないけど、無駄なことは口にしない性格なのは知っている。きっと何か意味があるんだろう。
そんなこんなで土くれのフーケが目撃されたと言われていた小屋のある、とても開けた場所に到着する。
「フーケがあの小屋の中にいるかもしれない。だけど全員で行くのはマズイから、囮を一人あそこへ向かわせ、後はフーケが出てきたときの牽制役として後衛を勤めるのがいいと思うんだけど」
サイトがそんな提案をしてくる。
「じゃあ、私が前衛ね」
「ルイズ、お前はじゃあの意味を辞書で引き直して来ることから始めよう、な?」
「いやだって、確かに魔法の使えないサイトが前衛を務めるのが正しいんだろうけど、私に負けたじゃん」
「うぐ………。だけど、そうしないと俺の見せ場、いや仕事がなくなるぞ」
サイトの言い分も納得できる。
どうしようかと考えていると、そういえばタバサにロングビルさんを見ていて欲しいと頼まれたんだった。
「わかった。いってらっしゃい」
「やけにあっさり引き下がったな。んじゃあ行ってくる」
デルフを抜いて迅速に小屋前まで移動する。
あの時はあっさりやられていたけど、確かに身のこなしは悪くない。
キュルケ達もサイトの動きに驚きを隠せないでいる。
だけど、なんていうか、違和感がある。まるでコツひとつで簡単にできることを、力押しでやっているみたいな。
お母様ならそこら辺を簡単に解明してくれるんだろうけど、ぶっちゃけ私にそんなに身体の構造とか詳しくないし。
「あ、合図があったわ。行きましょう」
キュルケとタバサはサイトの合図に従い、小屋へと入っていく。
「ミス・ヴァリエール。貴方は行かないんですか?」
「いえ、おかまいなく」
だけど、私はタバサにロングビルさんを見ていろと言われているから、動けないんだなこれが。
「―――あの、今怪しい人影を確認したので、調べにいきたいのですが」
「それなら一人より二人。ついていきますよ」
「………」
「おーい、破壊の杖あったぞー………って、あれ?」
サイトが破壊の杖と思わしきものが入ったケースを担いで戻ってくると、どういうこと?みたいな顔でロングビルさんを見ている。
よくわからないけど、見つかったならもう帰りたいんだけど。
「あ、ああ。フーケが戻ってくる可能性もあるし、さっさと帰った方がいいな」
どこか納得していないながらも、馬車に乗る。
キュルケは何もなかったからかつまらなさそうに、タバサは特に感慨もなさそうに、ロングビルさんはどこか後ろ姿に陰を落としつつ、各々馬車に続く。
私、何もしてないなぁ。いいのだ
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