蒼い悪魔の終演
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トの腕にはっきりと残る。硬い表情のまま、ハルトは目だけでトレギアの倒れる頭部を見下ろした。
「そうか……そういうことか……!」
消え入りそうな声で、トレギアはハルトへ顔を向ける。ゆっくりと。首の角度一度一度に時間をかけ、ハルトの肩口に頭を乗せたトレギアはハルトの眼を見返していた。あまりにも近く、もう、彼の息使いさえも聞こえてくる。
トレギアは弱々しく、ハルトの頬に手を触れた。
「ようやく分かったよ……君のこと」
「何?」
「そうか……ようやく確信が持てたよ……もっと早く知りたかったなあ……」
「……」
トレギアの指が、ハルトの頬を通じて目を指差す。
トレギアの水色の瞳には、ハルト自身の顔が映っていた。
「いつまで黙っているつもりなのかな? ハルトくん……いや……」
それ以上、トレギアは何を言おうとしたのだろうか。
ただ。
トレギアは、ハルトを突き飛ばした。それにより、彼の胸を貫通していたハルトの腕は抜き取られる。
ぽっかりと胸に大きな穴が開いたトレギア。その穴から光のエネルギーを零しながらも、トレギアは言葉を綴り続けた。
「ハルト君……君たちの絆は……簡単に壊れる。他でもない、君の手によって……」
「……っ!」
ハルトは果たしてどんな表情をしているのだろうか。
自分でもわからなくなっている顔を見ながら、トレギアは天を仰いだ。
静まり返った天井。そして、地上へ続く穴はそのまま駅ビルの天井さえも貫いて、夜空の星空まで見える。
そして。
「見ているかNo.6! お前は確かに、私の全てを防いだ! お前の息子に、私は敗れた! だが、この世界はどうだ!?」
廃墟と化した見滝原中央駅。
その中で、トレギアの声がただ響いていた。星空の誰かへ、トレギアはメッセージを続ける。
「光の国から遥か遠いこの世界で! 私は……! 光を消したぞ! いずれこの世界は、永遠の混沌に閉ざされる……! この……っ! _____の手で!」
やがてトレギアの全身に、バチバチと火花が大きくなっていく。水色の火花が、どんどん大きくなっていく。
そして。
「私の勝ちだ……! タロ……_____________
聖杯戦争を狂わせてきた、ハルトたちの宿敵。
フェイカーのサーヴァント、ウルトラマントレギアは。
背後に倒れ、爆発。
怨敵のハルトの手で、この聖杯戦争から消え去った。
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